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鉱洞での採掘依頼、エピソード19

蛇さんが誘引を始めたらしい。

蜘蛛さん達やシャウラスさん達が、次々と現れては、パックンチョ、パックンチョってな。


フィーバータイムなんですね、分かります。

現れた瞬間にパックンチョする。

でもな、ここから離れてるんで俺に被害はない。

怖い以外はなっ!


だってよぉ。

蛇ん中でモゾモゾ動いてんだぜ。

生きてんだよな、アレ。


うん、生きながら消化。

これが本当の踊り食いってか?

やかましいわっ!


流石にフィーバータイムな今、動く気にはならない。

石道へ伏せ、ジィーっと待つ。


このような待機体勢での待機は、斥候にとっては常識。

苦でもないわさ。


やがて嵐のようなフィーバータイムが終わる。

うん、お腹いっぱいになったんだね?

誘引していた香りが消えている。


満足したのか、大蛇は頭を下げて丸くなる。

猫か?


眠ったみたいだな。

俺は待機を止め、そぉ〜っと動き始める。


良し、大蛇に動きなし!

だが!油断するなよ、俺!


ジックリゆっくり、かつ、なるべく素早く。

矛盾してるようだが…それが出来ないと、斥候じゃ()ぇっ!


スルスルと石道を進む。

集中しての移動ゆえか、良い鍛錬になってるみたいだ。

余計な力が抜け、要らぬ動きが減って行く。


動きは、ゆったりとしてるのに、確実に移動速度は上がってるな。


そんな感じで移動していればだ、むろん、どんどんと大蛇へと近付く訳で…

間近で見ると、スンゲェ迫力だな、をいっ!


この大蛇さん、蜘蛛エリアの大蜘蛛様をパックンチョできる大きさがある。

まさに怪獣だな。


だから逆に蜘蛛エリアへは行けない。

繋がる穴っうか洞窟が狭いからな。

俺なら普通に歩けるが、大蜘蛛や大蛇は移動できないだろう。


それとな、ここを造ったヤツなんだが…

設計当初は大蛇様が、ここまで大きくなるとは思って無かったんじゃないかな?

石道からさぁ、手を伸ばせば大蛇様へ触れそうなんですがね。


いや、流石に触れないよ?

バレたらパックンチョされるからね。

とんでもないことである。


ただ、脱皮じゃ無いのか?

いや、あちらに抜け殻らしき物が埋もれてるな。

脱皮はすると。


それとは別に、ウロコが抜け落ちるのだろう。

大蛇周辺に大量のウロコがな。


簡単に取れる場所にあるからさ、1枚取ってみる。

うわ、軽い!

しかも簡単に形を変えることができ、変えた形から手を離すと、瞬時元の形へと。

結構な強度があり、俺の短剣では傷1つ付けられないな。


大蛇を伺いつつ検証したが、これ以上の検証は止める。

うん、大蛇の(かたわら)で行うことでは無いな、うん。


ただ、このウロコは持ち帰りたい。

重量も、さほどでは無いしな。


しかも形状が簡単に変わるから、体に密着させれば邪魔にもなるまい。


俺は大蛇を伺いつつ、ザックを丁寧に背から降ろす。

袋を取り出し、ザックを背負い…大蛇を伺う。


うん、大丈夫。

バレてなぁーいっ。


袋へウロコを入れる。

キチンと整理しながらな。

乱雑に入れて、動きを阻害したらシャレにならん!


袋へ回収し終えたら、袋を身に付ける。

先ずはザックを下ろしてからだな。

この袋は食材を入れた袋とは違い、複数のバンドで体へ固定するタイプだからな。


そしてザックを身に付け、食材を入れた袋を肩に掛けた。

良し、準備完了ってな。


大蛇さんは就寝中ですね。

そのまま、お眠りください。

間違っても、俺に気付くんじゃねぇぞっ!

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