良し!遺跡へ行こう!エピソード33
俺たちが帰る算段をしているとな。
「我々は、まだ戦闘をしておりませんので、先へ進みます。
では、ここで」
兵隊さん達が、そう言って俺たちから離れる。
離れながら何やら話してますが、俺には筒抜けなんだがなぁ。
「しかし…本当に斥候のルーキーなのか、彼?」
「そう聞いてるのだがな。
明らかに、俺たちよりも強いな」
「だな。
それにしても、閣下が気に掛けるだけのことはある。
可能なら同行しろ、っとの命にて輜重隊へ混ぜられた時には、そこまでの価値が?っと思ったのだがなぁ」
「全くだ。
あそこまで出来るとはな。
と、言うかだ。
他の3名も強過ぎないか?
最近の斥候って、ああなのか?」
「そんな訳あるまい。
あそこのクランが特殊なのだよ。
国内で1、2を争うほどに、有能なクランらしいからな」
そんなことを、身内で話しつつ移動してんな。
道中、彼らの前へ魔導パペットが現れるが、連携して危なげなく倒している。
結構、強いやん。
しかしクマ領主様から派遣された、者たちだったんだな。
流石に、全てを調べてる訳ではないからさ、知らなかったよ。
最近は亜空間で、さらに専門的な内容を学んでるからなぁ。
あまり余裕はないんだわ。
調理に対しても最初はシェフたちが、俺の所へ来て教えてくれてたんだがな。
今では、俺が各地へ出向き、新たに生まれた料理や、その調理技法を学んでいる。
そして、客へ出す料理も作ったりな。
給仕なども行ってみたりもな。
現場を知る、っうヤツだ。
これは調理に限らず、様々なことに対し応用を学んだり、現場体験をしてんだわ。
なので俺的には、リソースに余裕がなくてさぁ。
こんな末端の情報を、あらかじめ集めるなんて無理だからね。
兵隊さん達と別れて、早々に遺跡から出る。
「1時間半っと、いった所じゃな。
まだまだ時間に余裕があるのぅ。
さて、どうするかじゃ…」
爺ちゃんが、そんな事を言うからさ。
「いやいや。
俺は、爺ちゃん達が狩って来た獲物を処理するからさ。
骨を煮込んで出汁を取るには、時間が掛かるから、早めに調理へ取り掛かりたいんだけど?」
俺が告げるとな。
「そか、そこら辺は任せるわ。
俺とリーダーで、野営の準備しとくからな」
そう先輩がな。
周りの木を切り倒し、それを組んで簡易小屋を造る気だろう。
また面倒なことを。
だからさ、インベントリからテント一式を取り出して、先輩へ渡す。
「これ、組み立てといて貰えます?
最新のヤツ、買っときましたから」
したらな。
「やっぱり、マジックバック…便利だなぁ。
このデカいテント道具一式入るのか…
俺も欲しいぜっ!」
先輩が、そんな事をさ。
まぁ、マジックバック系の魔道具は、今の時代には作れる者が居ない。
だから遺跡から見付かった物しかないんだよ。
そのため希少であり、非常に高価だ。
とてもでは無いが、一般人の手が届く代物ではな。
以前の俺も、マジックバックが欲しかった口だ。
だから先輩の気持ちも分かる。
それだからさ、頑張って遺跡探索して得て下さいね。