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良し!遺跡へ行こう!エピソード26

遺跡に着いたら、既に部隊が駐屯中でした。

あれぇ?


「お早いお着きで。

 流石ですなぁ。


 私は第三輜重隊の隊長を勤めます、アベラと申します。

 よしなに」


そう声を掛けて来たよ。


「先遣隊、ご苦労様です」ってリーダーがさ。


「まぁ、こればかりは仕方ありませんな。


 何せ輜重隊の歩みは遅い。

 ゆえに、先乗りせねば、兵たちの夕飯に間に合いませんからな。


 他所の領では保存食にて済ますようですが、それでは力が出ず鍛錬にならん!、が、御領主様の意向ですので」


へぇ、クマさん良いとこ有るじゃん!


「その分、鍛錬の苛烈さは、他領の追随を許しませんがね」ってから、肩を顰める。


いや、前言撤回!

どんだけ苛烈な鍛錬やねん!


「それで、皆様の昼食はいかがいたします?

 よろしければ、こちらで用意いたしますが?」


そうアベラさんがね。

したら爺ちゃんがさ。


「いや、それには及びませぬわぇ。

 弟子のダイルに作らせますからのぅ。

 これも修行ですじゃて」


そんな、もっともらしいことをね。

実際は不味い飯を食いたくないだけだよね?


亜空間飯に比べたら、ここで作る飯は劣るだろう。

設備もないし、調味料も限られる。


胡椒などの香辛料は南国からの輸入品だ。

だから結構な値がするんだよ。


醤油や味噌もない。

市販ではな。

だが、里では作られてるから、コレは大丈夫だろう。


胡椒はないが、代用品はある。

唐辛子とか、青唐辛子。

獅子唐の中には胡椒の風味を持つ物も。

{実在します}


これらと岩塩を使用して味付けすれば、まぁ、大丈夫だろう。


俺はマジックポーチから出す振りをして、インベントリから焼き台を。

折りたたみ式の焼き台を広げ、炭を入れる。


足に支えられた焼き台は、火起し箇所が空中にあるため、空気の通りが良い。

そのため、魔道具で着火すると、着火剤が非常良く燃え、炭に火が回り易いんだわ。


炭も白炭と言われる炭であり、高火力で持ちが良く、不要な煙は出ない。

転生さんの言う、備長炭てぇヤツかな。


火が点くと、俺は鋼鉄製の丸底鍋を取り出す。

中華鍋ったか?

そんなヤツだ。


先ずは高温で熱し、油を掛け回す。

煙が出るまで熱した後、油を捨てる。

コレを数回ね。


え?

何してるかって?

下準備だよ。


油でのコーティングもあるが、余分な汚れを浮ださせ捨ててんだ。

コレをする、しないでは、料理の出来が違うからな。


そして下拵えしておいた材料を入れ炒め、米を投入。

調味料を加えてから、鍋を煽る。


ほど良くパラパラになったら皿へ。

ザーサイなどの付け合わせと、予め作っておいたスープを装い皆へ。


さて、食べますかね…

いや、コレはさぁ、俺たちの飯な訳でさぁ。

ジィーっと、こちらを見てもありませんよ?


っか、アンタら輜重隊でしょうがっ!

自分たちで作って食いなさいって!

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