鉱洞での採掘依頼、エピソード17
蜘蛛の横を通った時なんだがな、最悪なことが判明した。
蜘蛛を覆う針のような毛なんだがな、あれ、毒持ってるわ。
匂いから判別するに、多分、麻痺系の毒だろう。
不用意に近付くと、蜘蛛の体毛が体に刺さり麻痺。
美味しく頂かれると…
しかも体内溶かされ、チューチューと吸われる訳で…嫌過ぎる…
そんな蜘蛛を触れないように進む。
縦糸しか進めないのに、蜘蛛が通せんぼしてたりな。
だから近場の縦糸へと跳び移り、先へと進む。
ただなぁ。
蜘蛛の糸って、結構滑るんだわ。
俺は斥候として鍛えてるから、問題なく進めてるんだがな、下の死体は、これが原因だろう。
間違っても、横糸を使用して移動しようと考えてはならない。
身動き取れなくなり、無理に動くと蜘蛛に群がられるだろうからな。
うん、この能力得ても、死ぬ時は死ぬって教訓ですね。
お代は、自分の命をbedってな。
コレが本当の命賭けだな、うん。
でな、縦糸を辿るとさ、当然のことながら巣の中央へと。
うーん、巨大な陰の真下ですね。
嫌なんですが!
真上には、先程の巨大蜘蛛が鎮座なさってますです、はい。
その下を通過しないといけない訳で…
いきなり降ってくるなよ。
冷や汗ダラダラで、大蜘蛛の下を進む。
通り過ぎることができたかぁ。
もう、泣きそうっす。
そんな俺に、追い討ち掛けなくて、良いんですよ?
いきなり大蜘蛛がさぁ、降って来るんですが!
見付かっのかぁっ!
いや、単に降りて来ただけ…をい!
降りて来た大蜘蛛、腹が減ってたんですね。
狼大の蜘蛛さんを捕らえてさ、チューチューしてます。
捕らえられた蜘蛛さん、アッと言う間に干からびてしまったよ。
あんな死に方、イヤじゃーっ!
俺の顔は、さぞ真っ青になってるだろう。
気持ち悪いだけでなく、怖過ぎるわっ!
だが、焦ってはダメだ。
ミスは死を招く。
慎重に歩みを進め、なんとか対岸?へと。
大竪穴の反対側へと辿り着いた俺は、へたり込んでしまったよ。
情け無い?
なんとでも言え!
自分が、その立場になって、同じことを言われても許容できるならな。
しかし…これで抜けれたんだよな?
少し離れた物陰へと。
辺りを調べ危険が無いことを確認だな。
よし、問題なかろう。
そう判断した俺は、ザックから水と食料を取り出し、軽く腹を満たす。
しばし休むか。
流石につかれたぜよ。
っても、索敵は怠らないがな。
休みつつ、この先を伺う。
なんかさぁ、すり鉢状の穴が見えるんだが?
壁沿いに進んだら時間が掛かり過ぎるだろうな。
っかさぁ、壁沿いに穴が空いてないか、アレ。
流砂みたいに穴へ砂が流れ込んでるような…
砂は左壁奥にて、滝のように流れ込んでんな。
これさぁ、窪みの下にも穴があって、砂が流れ出てんのかね?
ここからは確認できないため、すり鉢状の穴へと近付く。
うん、今度は、そうきたかぁ。
すり鉢状の穴の底。
大蛇がトグロを巻いて、鎮座されておられました。
止めてぇーだっ!