良し!遺跡へ行こう!エピソード14
なんで?
さっきより普通の刀だよね。
『ふむ。
君に良い品を使わせたい、マザーの奸佞に騙されたようだな。
先に提案した名刀[靖清綱義]が良品過ぎたことで、名刀[備中國友]が劣ると勘違いさせたのだよ。
しかも、名刀、と告げずにな。
実際[備中國友]を曙国に持ち込めば、国宝扱いになるだろう。
しかも、ここは曙国から遠く離れた地だ。
刀自体が、非常に珍しい。
そこへ国宝クラスの名刀を持ち込めば、まぁ、目立つであろうな』
マザー?
っか、やられたなぁ。
どっしょぉ?
「コイツは閉まっとけ。
他には無いのか?」
先輩が諦めたように。
無かったことに、してくれるようだ。
『マザー?』
『むぅ。
あれより、劣る品ですか?』
不機嫌そうだ。
まぁ、マザーとしては、俺に変な武器を使わせたく無いのだろう。
『仕方ないですね。
数打ち刀[劉我]
これ以下は、ダメです!
これも、大分不満なんですから』
マザーが拗ねたようにな。
俺は提示された品を、卜伝様に。
『この刀、どう思われます?』って、尋ねたらさ。
『四方詰で打たれた太刀で御座るな。
こほん。
この太刀は数打ち刀であるため、名刀ではご、ないでご、すよ。
非常に良い品ではありますが、こちらにも出回っているのでしたかな?』
そのようにさ。
っか、卜伝様?
本当に、なにがあったし?
『[陽光の里]にて、同クラスの太刀が打たれており、この国に出回っております。
少々高価ですが、まぁ手に入らない品では無いでしょう。
マスターは、[陽光の里]へ出入りしておりますから、持っていても不自然では無いかと』
まぁ、里で師匠に渡された事にすれば、大丈夫かな。
『分かった。
爺ちゃんに渡されたことにするよ。
爺ちゃんに連絡しといて』ったらさ。
『良いぞ。
儂が渡したことにしようわえ』ってね。
『あれ?
爺ちゃん?
1キロ近くまで来てる?』
今は2キロ範囲内なら感知してんだが…はて?
『50キロ以上離れておるな。
今、そちらへ向かっとるとこじゃて』
『あれ?
半径1キロ以内が、使用範囲じゃ無かったけ?』
だよね?
『亜空間の技術進歩は目覚ましいからのぅ。
ダイルが里から出た後から、急遽研究に拍車が掛かったように、研究が進んでおるぞ。
何か有ったのじゃろか?』
あー
美里婆ちゃんの件かな?
あの、話しに触発されて、研究が進んだねかね?
っうことは、マザーが伝えたな?
『そうなんだ。
それで爺ちゃんは、どうやって新しいデバイスを手に入れたのさ?』
旧来のデバイスでは、俺の半径1キロ以内でないと亜空間入りできない。
だから、亜空間の情報も得られないハズだ。
したらな。
『マザーが、遠隔操作の機体へデバイスを載せて、届けてくれたわい。
体力回復剤ものぅ。
それゆえ、今、そちらへ向かっとるでな』
いや、マザー?
俺に悟らせずに行動が?
えらく進化したもんだなぁ、参ったぜ!