良し!遺跡へ行こう!エピソード3
俺が高速下拵えを敢行してっと、調理手伝いの里人達が仰天してるよ。
そらぁさぁ、亜空間で超一流って言われてる、シェフやグランシェフに特級厨師などから、お墨付きを貰ってんだからさ。
半端な真似はできねぇーって。
『ダイちゃん。
手際良くなったねぇ』
千智婆ちゃんが念話でな。
『なに言ってんだか。
千智婆ちゃんの方が、腕は上だろうに』
俺は、思わず呆れてな。
俺はさ、調理以外にも色々と習うことがな。
いやさぁ、半強制なんですがねぇ…遠い目。
そんな俺と違い千智婆ちゃんは、調理一本で修行だな。
っても古今東西、あらゆる調理方について学んでたよ。
そんな、千智婆ちゃんと俺とでは、明らかに差がさぁ。
『そら、あがぁに習うとって、同じレベルやと悲いわいね。
けどね、ダイちゃんレベルの子、居らへんと調理がさぁ』
ああ、里の皆も料理はできるんだよ。
できるんだが…俺たちと比べるとね。
調理の腕前が違い過ぎると、合わせる方は結構ストレスだ。
そう考えると、俺たちに追随するレベルの里人は居ないな。
だから、千智婆ちゃんが俺へ、ヘルプしたのかぁ。
納得。
下拵えを早々に終え、次の作業へと。
千智婆ちゃんとの連携はバッチリだ。
次々と出来上がる料理たち。
炊事場には、芳醇な香りが。
あ、こら。
摘み食いは、許しまへんでぇ!
出来た料理から、宴会場へと運ばれる。
そしたらさ、宴会場から俺を呼びにさ。
まぁ、主賓らしい俺が居ないと、始まらないらしい。
いや、別に主賓あつかい、しなくても良いんですよ?
まぁ、そう言う訳にも行かない訳で…
「もう、大丈夫やで。
後は、こっちでやるさかい。
ダイちゃんは、宴会行っといで」
そう千智婆ちゃんに促され、炊事場を後に。
宴会場に着くと、人で溢れてたよ。
いやさぁ、明らかに里人全員より、人が多くね?
あ、リンレイが来てるな。
どうやら、[パイクの里]からも、人が来てるみたいだ。
[パイクの里]は、この[陽光の里]ができた頃に造られた里だ。
いや、東明寺家の逃避行の途中に、この一団へ加わった者達の里だな。
[パイクの里]は、東洋の三国と呼ばれる利玉飾の内が一国、飾貫の者達なんだ。
東明寺家一行が飾貫国へ差し掛かった時、飾貫の王である徳幻王に請われ、助け立ちを。
その際に、戦へ参戦していた白空拳の拳士達と侍達が意気投合し、東明寺家と行動を共にすることに。
どうやら、無手を信条とするパイク拳士達は、飾貫国とは相性が良くなく、冷遇されていたそうだ。
そのため、意気投合した東明寺家一行と、共にありたいってな。
そうして、この地に流れ着き、[パイクの里]を開いたんだってさ。
他にも同じように、この地へ流れ着いて里を造った者達もいるぞ。
多分、会場に居るんだろうけど、探す気はないがな。
まぁ、リンレイを見付けたんだし、挨拶しとくかね。