激闘?亜人討伐!なにそれ、美味しいの?エピソード20
いやね、確かにさぁ、修行付けて欲しいとは、思ったよ。
だけどさぁ、スパルタでの詰め込み修行は、望んでません!
「ほっほ。
ドラゴニアンの武丸殿仕込みが、なかなかに良かったようですなぁ。
ここまで早く、繊細な制御が行えるようになろうとは」
爺ちゃんの機嫌が良い。
良いのは、良いんだが…
一気に詰め込むのは、止めていただけませんかね?
様々な忍術をさ。
いやね。
今の俺ならさ、確かに苦もなく習得できるよ?
けどさぁ、爺ちゃんが習得断念した術や、困難過ぎて蔵の奥へ仕舞い込んでたのを、引っ張り出して来なくても、良いんですが?
っかさぁ。
女帝様にマザー。
アンタらは、気については素人っしょ?
え?
サポートくらいは可能?
いやいや、修行の難易度を上げなくて良いんですってばぁ。
ギリギリを攻めるのは、止めません?
「ほっほほっ。
こりゃ良いわえ。
より効率的な修行が行えておるでな。
参考にしようわえ」
あのぉ〜爺ちゃん?
止めて貰えますかね?
忍術にも分身の術はあるが、こちらは気を使った朧分身と言うヤツだ。
むろん実態はない。
無いが、俺なら見える範囲なら、何処へでも出せる。
しかも姿かたちは自由自在ってな。
撹乱には、持ってこいな術だ。
地走りや縮地に壁走り。
既に能力的に可能だが、あちらは魔術にて行っている。
気を用いて行うから、魔術を阻害されても問題なくなったよ。
さらに、よりスムーズに行えたりな。
しかし…影へ潜る術てぇのは、面白い。
影を操ることも可能でな、行動の幅が広がったよ。
他にも様々な技を。
既に物部家へ伝わる忍術は、身に付いたのだが…
修行へ乱入して来た方々と、爺ちゃんが意気投合してな。
新たな忍術の開発などを。
まぁ、仲が良いのは、良いんです。
ただね。
ネオ忍術とか言う怪しい術の被験者へ、俺を選ばなければさ。
様々な実験を行い、亜空間で生まれた道具なども用いてな。
なにせ、亜空間内は時が加速している。
だから、時間へ追われることはない。
しかも、時戻しにて時を巻き戻すことも可能。
一時期は、爺ちゃんを全盛期の肉体へとさ。
疾患などや怪我などの後遺症も、生命の精霊が癒す。
こうなると、爺ちゃん?自体が、忍術を磨きだしてな。
それを、さらに俺へと。
あのぉ〜
そろそろ、修行を終わりにしません?
キリが無いんですけど。
っかさ、爺ちゃんさぁ。
俺より亜空間文明に馴染み過ぎじゃね?
様々な小型デバイスを使いこなしてさ、小型ビットを操ってます。
亜空間サブカルチャーにも精通してるし、歓楽街の店々の内情まで把握しているみたいだ。
爺ちゃんがコンサルした店が繁盛したりさ。
あちこちから、爺ちゃんへ声が。
「そろそろ亜空間から出ますよ」ったらさ。
「やじゃ!
儂ぁ、ここへ住むんじゃ!」って、駄々を。
いやさ、俺が強制排出すれば、爺ちゃんを亜空間から出すのは容易い。
けど、師匠だしなぁ。
別に悪いこともしてないし…
「だったら、いつでも亜空間へ入って構いませんから!
入退はデバイスで可能でしょ。
爺ちゃんの生きる世界は、あちらなんですから」ったらさ。
「仕方ないのぅ」って、渋々とね。
まぁ、こちらは娯楽に溢れてるし、何より飯が美味い!
当然、酒もだ。
しかも卓越した医療技術は、病や怪我どころか、老化まで癒す。
歓楽街に留まらず、様々な所から頼られ知人も増えた。
こうなると、帰りたく無くなるのも仕方ない。
無いのだが…
いきなり爺ちゃんが、里から蒸発しては困るんだよ!