激闘?亜人討伐!なにそれ、美味しいの?エピソード18
リーダーとマスターが去って、いよいよ修行っうことにな。
そしたら爺ちゃんがさ。
「な、なんと!
ここは…何処なのじゃ!」って仰天してます。
「亜空間の中だよ。
俺の能力なんだ。
ここはさ、外より時間が早く流れてるから、いくら修行へ時間を割いても、外では一瞬なんだよね。
最高の修行空間っしょ」ったらさ。
「やれやれ。
弟子が知らぬ間に、規格外になっとるのじゃがのぅ」って、首を左右に。
うむ、喜んでいただけたようで幸いです。
『そんな訳あるまい。
あれは、呆れておるのだ』
なんですとぉ!
っか、いや、クロード様?
「お初にお目に掛かる。
私はクロードと言う者。
翁殿には、遺跡の壁へ忠告文を書いた者と言えば、分かり易いでしょうか?」
いやいやいや!
いきなり分身体へ宿って、実体化せんで下さいやっ!
爺ちゃんが、目をひん剥いて驚いてるやんねっ!
「確かに、気配は無かったハズじゃ…
いったい…何処から?
魔術師のようじゃが、体術的には手練とは言えぬであろうな。
そのような者の気配を見落とすとは…
儂も耄碌したものじゃて」
あー、ほらぁ!
勘違いして、落ち込んじゃったじゃん!
「師匠、師匠!
クロード様は、俺が創った分身へ宿ってっから!
いきなり、湧いて出たような存在なんっすよね。
だから気配を、あらかじめ感じることは無理っすから!」
そう説明するとな。
「分身じゃとぉ!
いつの間に、そがぁな高等技術を!」
いや、そこぉ!
そこなの!?
「俺が手に入れた能力の一つっす。
他にも色々できるっすよ」
とりあえず、そう言っておいたよ。
「ふぅ。
もう良いわ。
話しが進まんでな。
して、クロード様と申されたか?
高貴な方と見受けられますが…」
「うむ。
今では過去となった国で、公爵家の跡取りであった。
政争に敗れ、遺跡へ逃げ込んだのだが…
最後の試練にて倒れてな。
指輪へ捕らわれ、成仏もできなんだ。
そこをダイルに解放されてな。
ダイルに同行することにしたのだ。
普段は、ダイルが腰に刺しておるワンドへ、宿っておるよ。
ダイルへ魔術を教えたり、色々とアドバイスなどをしておる。
まぁ、ダイルへ魔術を教える師匠とも言えような。
故に、同じくダイルの師である神威殿へ、一言挨拶をと思いましてなぁ」
そんなんクロード様が告げるとな。
爺ちゃんがね。
「それは、それは、ご丁寧に。
儂がダイルの体術と武術、斥候技術の師ですじゃ。
まぁ、他にもダイルへ教えとる者はおりますがのぅ。
しかし…ダイルは魔術も扱えるので?」
爺ちゃんが、驚いたように尋ねてるよ。
「それなのですが…」
クロード様ったらさ、俺が改造されたこと、バラしやがんの。
「ほぅ。
過去に死んだ有力者の記憶を譲渡されておると?
さらには、様々な人種の因子を、記憶を元に組み込まれておるのですかえ?
いやはや…なんとも…」
いやさぁ、首を振って呆れんでも…
照れますなぁ。