鉱洞での採掘依頼、エピソード11
ふぅ、美味かった。
森ネズミってぇのはさ、ウサギ程度の大きさがあるからなぁ。
結構食いでぇがあったよ、うん。
っても、頭や内臓を退け、骨を除去したら量はなぁ。
キノコや芋が無かったら侘しい食事になってただろう。
地上からの穴は数箇所あるが、結構深い。
これさぁ、どうやら森ネズミたちが掘った穴みたいだな。
最近できた訳では無いだろうが、壁文さんが生きた時代には無かったのやもな。
この穴を掘り進めたら…多分、崩れるな。
一か八かで挑んで生き埋めになる積もりはない。
ただ、この洞窟内で完全に安全と言えるのは、ここだろう。
あの警戒心の強い森ネズミたちが、暮らしてたんだからな。
なので、ここでしばらくは休む事に。
壁文さん曰く、暗闇迷路らしいが…ここを森ネズミが陣取ってたように、どこから何が侵入してっか分からんでな。
警戒しつつ移動する前に、充分な休息を取りたい。
何せ馬鹿ケインのせいで、要らぬ警戒をしられて疲れが溜まってたかんなぁ。
ちょっと、のんびりしても、バチは当たるまい。
仮眠を取り、穴で燻した肉が、まぁ、何とか燻製?になったのを確認。
ザックから袋を取り出し、燻製肉と採取したキノコと芋、苔を入れる。
水筒へ1番綺麗な沁水が溜まった水溜りの水を。
味覚も強化されてるのか、口に含むだけで水の良し悪しが分かる。
以前からも分かったが、より鮮明にな。
複数の水溜りから水を選んだが、沁み出した直後に溜まった水より、藻や苔が生えてた水溜りの方が美味かったな。
ただ口に含んだ瞬間に吐き出した水もある。
体に悪い何か…雑菌でも混ざってたか?
以前なら気付かなかった違いだな。
ザックへ水筒を入れ、食材を入れた袋を肩に掛ける。
よし、出発の準備は完了だな。
脱出に、どのくらい掛かるか分からない。
ならば、食い物と飲み物は確保しておくべきだろう。
しばし過ごした空間から洞窟の道へと。
あちこち探索したが、めぼしい物は見付からず…
「あらら、ここへ出るんだ」
思わず声がな。
最初のホール。
扉から入って正面右側の穴からホールへな。
つまりホール右側の穴は、中でホール正面右側の穴に通じていたって訳。
あの森ネズミが居た空間以外には、何も無かったらからなぁ。
っと言うか、アレは運が良かったと言えるだろう。
洞窟内は結構複雑でな。
素人なら迷っただろう。
まぁ、壁文さんが迷ったのも仕方ないかな。
さて、正解の道は後回しにして、左側の通路を探索しますかね。
で、結果から言うとだ。
結構な下り坂でな、入り組んでたよ。
ただ、水晶と思われる石がゴロゴロ転がってる場所がな。
流石に採掘しても、大量には持ち帰れない。
虹色に輝いて見える水晶のカケラだけ、ポーチへ仕舞う。
後、地下水脈もあった。
流水を口に含んで見たところ、飲み水にはなりそうだ。
まあ、あの部屋で汲んだ水の方が美味いから、汲む価値は無かったよ。
結構な勢いで流れており、切り立った岩や石が見え隠れしてた。
あの水脈を使用しての脱出は自殺行為だな、うん。
で、ホールへ帰って来たからさ、これから正解とされる道へ。
ここへは指輪を嵌めないと来れない訳だが…
指輪の能力を使い熟せなかったのか、単純に迷ったのか…
探索中に指輪を嵌めた白骨死体が何体かな。
壁文さん、良く無事だったなぁ。




