脱出!生還!そして帰還へと、エピソード50
受け取った報酬と、領主館で受け取った報酬と労い金。
それをシゲシゲと見比べてたゾックがな。
「なぁ、御領主様からの報酬と労い金って、俺が貰って良い物なのか?」
唐突に、そんなことをな。
「はぁ?
いきなり、なに言ってんだ、お前?」
あまりのことに、呆れてしまう。
したらな。
「いや、ゾックが言うのも、もっともだ。
そもそも、ダイルが行ったことに対する評価だ。
僕たちが貰うのは、可笑しい」
などとソリタが、したらリタもな。
「そうね、可笑しいわよね」っと。
はぁー、何を言っとんだ、コイツらは…
「あんなぁ、今回の依頼。
目的はなんだ?」
そう俺が尋ねると、3人はキョトンとしてな。
ソリタが代表して告げる。
「鉱石の採掘補助だろ?
まぁ、ギムさんは、坑道の調査も兼ねてたみたいだけど?」
いや、分かっとらんみたいだな。
「鉱石採掘がついでで、坑道の調査がメインだろう。
採掘の方は、おそらくはブラフだな。
なんか理由があるんだろうさ。
つまりは、坑道が有益である情報、これを持ち帰った事が大きい。
俺の情報は、その情報があってこそ生きる物だ。
そして坑道の情報を持ち帰れるのは、採掘クランの者だけだ。
つまりギムさん達だな。
それでだ。
ギムさん達が撤退する時、側に居て助けたのは、誰だ?
ゾック。
お前が適切な索敵をして、皆を導かなければ危なかったと聞いたぞ。
ソリタ。
飲み水もだが、結界を張って身の安全を測ったり、戦闘時にも貢献したよな。
リタ。
ギムさん達が傷付き倒れた時に救ったのは、お前だろ?
これの、何処が貢献して無いって?
アホなのか?」
俺が告げると、3人は戸惑いながらニヤケてやがる。
嬉しいのは分かるが、顔に締まりが無いぞ?
言わんけど。
まぁ、3人は報酬を素直に受け取ることにな。
面倒だから、そうしてくれ。
その後は、打ち上げをしようかってな。
だが、この地区は金持ち連中が多く、治安が良い。
それだけに、物価も金持ち仕様となる訳だ。
いくら金が入ったからって、庶民が散財する場所…
違った。
散財できる場所じゃない。
高すぎるわっ!
それにな、店によってはドレスコードなんてヤツも。
気楽に騒げる店なんて無いかんなっ!
だからさ、庶民は庶民用の店へってな。
俺たちのクランがある地区へと。
こちらは庶民用の店ばかりってな。
いや、ある程度はお高い店もあるぞ。
晴れの日用っう店も必要だからな。
だが、そんな店は、クラン幹部が出入りする店だ。
落ち着いて食えたもんじゃねぇ。
それで、ほどほどのクラスの店になる訳だが…リタがな、あまり小汚い店は嫌ってさ。
つまり、場末の安酒場は却下だな。
アレは、アレで、楽しいんだなぁ。
それで、ソリタとリタが勧める店へ。
したらなぁ。
「えー
こんな、お上品な店で食うのかよ?」って、今度はゾックがな。
まぁ、こちらはな。
「彼女ができたら、来るのに良くないか?
体験しとくのも悪く無いぞ」
そう告げたら、一発だったよ。
チョロくね?
その後は、店で依頼成功を祝って飲み食いってな。
………
ちょうど、領主様から貰った労い金分の代金でした。
熊、恐るべし!




