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88  作者: さきさく
【ーの場合】
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【第三部隊長の場合】と【角砂糖の場合】

【第三部隊長の場合】


「うおおおおぉ!!」

大きな声と鋭い剣が魔物を襲い、血が舞い散る。

遠征の帰り道、魔物と遭遇。王都騎士団、第三部隊はそれを蹴散らす。

リーダーと思われる男が仲間に声をかけた。

「みんな無事か!」

「こっちは大丈夫だ」「いやぁ血がベッタリ」「刃が欠けました…」

各々が仲間に声をかけ士気を保つ。

「怪我人は馬車へ、方を貸してやれ。もう少しで王都だ。頑張ろう」

「帰ったら風呂だな!」「妻の作る食事が楽しみです」

王都騎士団、第三部隊の遠征は無事帰還した。


だが帰還後、1人苦しむ者がいた。

帰り道に獣型の魔物より攻撃を受け首元を噛まれたのだ。牙が深くくい込んだため回復魔法でも治りが遅い。呼吸は浅く水もまともに取れない状態だ。


回復師と他の仲間の声が聞こえる。

「おかしいよな...。帰り、確かに獣型の魔物には会ったけど獅子や狼みたいな牙のある魔物じゃなかった」

「でも、アイツが倒れてから魔物に気づいたんだぞ?」

「ランスさんの配置はどこだったんですか?」

「「リーダーだから、先頭だ...。」」



ーーーーー


【角砂糖の場合】


ある日の昼下がり、城の庭でアフタヌーンティーを楽しむ1人の少女。傍には執事が3人。

「そろそろ選定の時期だと思うのだけれど、誰が選ばれるのかしらね」

お茶を注ぎながら帽子の長男は問う。

「アリスは選ばれたら何を願うんだ?」

「そうねぇ...。世界を全部お菓子にでもしようかしら。そしたらお兄様たちとずっとお茶会ができるわね。」

猫背の次男はイタズラに笑う。

「ふへへぇ。アリス、また太っちゃうよ〜?」

「そんなぁ!やめて下さいチェシャにぃ...」

「大丈夫だよ。アリスは太っても僕たちのかわいい妹なんだから。」

時計を確認しながら三男もイタズラそうに微笑む

「ルイス兄様まで...。」

アリスの執事である3人の兄たちは、それぞれ狂ったように笑いだした。

「もぅ、アリスは怒りました...!少し1人にして下さい!」

「.......ハッターお兄様。...あとは頼みますね。」

「かしこまりました。お戻りになりましたら、お呼びください。」


執事達は城へと戻って行った。

見送る瞳はぐるんと白目を剥き全身が痙攣を始めた。


こんなことで死ぬのはイヤだけど

よかった。選ばれたのね...


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