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経験値ブースト


〜運営からのお知らせです。「皆様! アープロファンタジーはプレイしておりますか!? アープロファンタジーは現在ユーザー数を大きく伸ばしております! そこで! 新規の皆様も楽しくこのゲームをプレイしていただくために、新たなイベントを発表いたします!」〜


 

『新規応援イベント!!! イベントの詳細は〜』



〜〜〜〜〜〜


 @1 おいおいおい! マジで神イベ始まったぞ!

 @2 昨日から始めた俺の友達もあっという間にレベル50超えたってさ。経験値ブーストに特殊武器配布はやりすぎな気もするけどねぇ

 @3 まぁでも正直助かるよ。仕事でプレイする時間取れないからさ?

 @4 @3どんまい社畜www

 @5 てかさぁ? このゲーム結局何がクリア条件なの?

 @6 お前www クリア条件とか無いだろwww 普通に強いキャラ育てて戦えばいいんだよ

 @7 うーん……でも発売前の触れ込みでは仲間を集めて魔王をって

 @8 それはオフラインでの話だろ? ここはオンラインの掲示板だ。分かんねぇなら帰った帰った!


〜〜〜〜〜〜


「魔王様! 今では勇者よりも強いもの達が溢れております! 魔王城へやってくるのも時間の問題かと!」

「いや、まだ慌てる時間では無い。伝令を走らせろ! 必ず助けてやる。だから今は自分達の領土は自分たちで死守せよ!」

「御意! お前ら! 伝令を出せ! 魔王様のお言葉を必ず幹部の皆様にお伝えするのだ!」


 と言ったはいいものの……どうするかなぁ


「ハイネル! ハイネルは居るか!?」


 扉の向こうから走ってくる音が聞こえる。


「はい! 魔王様! お呼びでしょうか!?」

「ハイネル、お前には斥候とは別に人族の街に行ってもらいたい。そこでこの現象の原因を突き止めて来てもらいたいのだ!」

「私一人で、ですが?」

「いや、何人か連れていけ。主に冒険者からの情報が欲しい。冒険者に化ける為にも人数は居た方がいいだろう」

「分かりました。それでは数人、幹部からお借りしますね」


 これで何が起きているのかは分かるだろう。


「そうだ、これを持っていくがいい」

「これは……意思伝達用の魔石……ですか?」

「そうだ。人族の大陸までは距離がある。その魔石なら遠距離でも意思の疎通が取れるだろう。気をつけて行ってくるのだぞ?」

「はいニャ! 必ずや魔王様のご期待に添える結果をお届けするニャ!」


 可愛い……猫人族は可愛い子が多くて困っちまうなぁ? ハッハッハ!……ハッ!? 浮かれてる場合じゃない。人族め……魔獣狩りなんて非道なことをしやがって。


 いやまぁ僕は魔獣とそんなに関わりないんだけどね? まぁそれでも魔王軍のトップとして放っておける出来事でもないしな! 後はハイネルが情報を持ってきてくれる事を祈って、今出来ることをやっていくとするか。


〜〜〜〜〜〜


 最近、冒険者の皆さんがすごく張りきっているみたいなのです。私は未だにスライムすら倒せないというのに……


「失礼します勇者様!」

「はっ! はいっ!?」


 いきなり扉を開けて入ってきたのは、最近私に付きっきりになっている騎士団長さん。剣術指南役のアルヘイドさんは最近お部屋から出て来ていないようです……ごめんなさい。私のせいなのです。


「勇者様! 今魔獣を狩ると取得できる経験値量が大幅に増加しているようです! 理由は未だ不明ですが、このチャンスを逃すべきではないかと!」


 魔獣……魔獣……魔……獣……魔獣!? 無理無理無理ィ! スライムだって倒せなかった私に魔獣なんてッ!


「あのぉ……ラスドーさん? 私、スライムを倒せなかっt」

「それはアルヘイドの教え方が悪かっただけです! それに勇者様とはいえレベルは1! それならば最初から魔物を相手するのではなく、剣を振るところから始めるべきだったのです!」


 それなら余計に今から魔獣は不味くないですかね? 団長さん?


「それなら……今から魔獣っていうのは……」

「大丈夫です勇者様。今回私と私の仲間数名でパーティを組みます。それなら経験値は山分けされるので勇者様のレベルも上がりやすくなるはずです!」


 なんかこの世界に来てからずっと思ってたんだけど……私はリアルな世界感で生きているのに、この人達はこのゲームの仕様が生活の一部って感じなんだね? なんか不思議な感覚だなぁ


「それで……レベルが上がったら、魔物も倒せるようになるの?」

「勿論です! 勇者様には様々なスキルがあるはずですので!」


 まぁたしかに……スキルは沢山貰ってるけど、未だに何が何だか全くわかってないのよね……みかおくんに聞けたら良かったのに……

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