7話 試練の間までの小話 そしての試練開始
コツコツ。
「そういえば今行っちゃった竜王さんはいいとして霊雪さんは国戻らなくていいんですか?」
「あーいいのいいの。一応僕国では国家元首兼建国者としてあがめられてるけど国を運営するための知識はあんまりないの。建国したのにね。自分でもちょっとあほらしく思うよ。まぁでも元の国で差別をなくそうとして迫害されてた貴族とか国が隣国によって滅んだために亡命することになった王族とか上手くまとめて今は僕は非常時以外は国には戻らないよ。そもそも僕が作った《紅氷剣【凍てつき】》か《蒼炎剣【鎮魂歌】》のどちらかに選ばれない限りは王族にしたって、貴族にしたって、平民にしたって、国の運営者…王としては認められないから。」
「平民の王がいたんですか?」(それにしても竜王さんと言い雑すぎる…)
「あぁ、いたよ。過去に4人ほど。そのうち一人は職人だったから平民と呼んでいいか怪しいけどね。ちなみに今はどっかの騎士だった人が王だよ。確か…カロルト・シュルトガルムだったかな。紅氷剣に選ばれた方だったね。僕に国では双方の剣に選ばれた人が順番に王を担当するよ。」
「今まで政権崩壊の危機はなかったんですか?」
「確か一回あったかな?5歳の子供が選ばれちゃって家族が代理で運営してたんだけど浪費がえぐすぎてさすがに僕が戻る事態になったよ。以後は政治に詳しい王族にあくまで補佐や指導を頼んだりして家族の干渉はなくしてるよ。流石にもうあれしきの事態で戻りたくない。以後は国の戦力では防げない大規模魔物暴走くらいは止めに行ってるけど最近はある程度国の戦力が戻ってきたから呼ばれてないね。」
「何があったんですか?」
「ちょっとね。一応ね、大規模魔物暴走が確認されたらいったん僕国に戻るんだけどその時だけは将軍級の魔族…魔王の直属の兵ね、そいつが居たのに気づくことができなくてさ問題ないって判断した結果大敗。僕が到着するまで国内の57の都市町村のうち23の都市と町、村が全滅したんだ。その時だけは悔やんだよ。そのあと皇桜連盟の国の一つ、斯坦連合公国が塀を出してくれて何とかその時は国が亡ばずに済んだんだ。結構叱られたよ。竜王さんからは。まぁその時の教訓としてしっかりと2回確認することにしたんだよ。魔物の全体を。さて、着いたよ。ここが冥界竜の間さ。それじゃ、頑張って。死んでもセーブ石無限に使えるし。」
「霊雪さんは来ないんですか。僕はあくまで補助の人だから正式にパーティメンバーじゃないからこの間には入れないんだ。でも応援はしてる。だから、〝絶対に勝ってこい″。」
ブルッ。
「ッツ。あぁ、分かった。」
『冥界竜よ。挑戦者を連れてきた。扉を開け。』
〘分かった。挑戦者よ。死ぬ気でかかってこい。〙
ギィ。
こうして僕の冥界竜討伐するまで無限ループの試練が始まった。