2話 追放
「ようこそ勇者たちよ。私はスデナレゼン王国の女王、ナミヘルウィル女王です。
貴方たちは勇者として召喚されました。
どうかその身に宿した力で魔王を打倒してください。」
「こちらでスキル鑑定をするのでお並びください。」
「は、はい。」
「おお、こちらは勇者にしか宿らないとされる命之心火ではありませんか!勇者はあなた…名前は何ですか?」
「西海輝人です。」
「輝人さま、どうか我々に力を。」
「あぁ。」
(次は僕の番か。まぁ、そんなに良いものは無いだろう。)
「こちらは…あの忌まわしき初代の勇者と同じ、孤高之賢者ではありませんか。」
「え?、何か悪いもの引いちゃった?」
「えぇ、初代の勇者はその力を使い、魔族と結託し、王国を打倒しようとしたのです。」
「そうよ、だから第2の初代勇者を生まないためにもあなたへの支援は最低限の装備以外は無しよ。明日、この城から出ていきなさい。」
次の日。
「残念だったな、こんなことになるなんてな。まぁ頑張れよ。偽勇者。」
「クソッこんな力さえなければ。」
「とりあえず、冒険者ギルドにでも登録しようかな。」
「冒険者登録ですね、承りました。では最初は最低ランクからからスタートとなります。ランクは地域によって呼び名が変わります。ここではEランクが最低ランクとなっています。Eランクはこの街のダンジョン「深星」に挑戦することが可能ですがあくまでも表層、1階層から10階層までしか攻略はできません。10階層のボスを倒すことでDランクに上がり30階層までの攻略が可能になります。30階層のボスを倒すとCランクに昇格し、50階層までの攻略が可能になります。50階層のボスを倒し、Bランクになると以降は自由攻略となります。」
「それ以上のランクはありますか?」
「はい、AランクとSランク、Zランクが存在します。ですがAランクとして認められる基準は現在ダンジョンで到達されている最深階層の30階層前、Sランクに昇格するには最深到達記録の更新を5階層以上達成し続けたパーティ及び個人に送られます。Zランクに至ってはSランクを獲得したうえでこのダンジョン外の火炎、水雲、海洋、豪嵐、大陸、白影、暗黒、氷結、溶岩、天空、星光が名前に付く竜の討伐か、このダンジョンの最下層にいるとされる冥界竜インフェルノの討伐、もしくは皇帝竜か竜神王に認められた者だけとこの街では決まっています。」
「そ、そうなんですね。わかりました、では早速ダンジョンに入ります。」
「はい、お気をつけて。」