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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅴ 第五詩集『おれの場所』   2007年刊
99/133

その1 連呼

   連呼

               

〈○○がご挨拶に参りました〉

だから票をくれというのか

動く車の中から拡声器を通して

自分の名前を叫ぶことが

そもそも挨拶か


〈三期十二年、頑張って参りました〉

だから票をくれというのか

何を、どう頑張ってきたのだ


〈どうか○○にもう一度チャンスを与えてください 暖かいご支援を〉

あなたを支援しなければならない理由を

是非とも聞かせてくれ     


代表として地位と権利を保証され

税金から給与を支給され

税金の使途を議論する議員

になろうとする者が

何をするのか

何をしてきたのか

一切言わず

ただ自分の名前を叫ぶだけで

票を要求できるとは





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