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その33 お人好しはもうやめた
ボロモウケを狙った
乱脈融資の焦げ付きを
税金で埋めてやる
死をもたらす危険性が
知らされている血液製剤を
垂れ流す
力ある者の無法は
力ない者に向けられる
我々はひどい目に会う
我々は声をあげる
あげざるを得ない
呻き声のようであろうと
おずおずとした
呟きのようであろうと
(やられた者だけが
喉笛を震わすのだ)
我々がよく観察し
関連付けて考えるようになり
呻きや呟きよりも
音量の大きく
内容の明確な声を
あげ始めると
力ある者は
その声に答える代わりに
その声色は共産党に似ている
と言う
と
タジタジ
タジタジ
声はしゅるしゅると
呻きの次元に戻ってしまう
「アカ」の一言で
事実も道理も封殺できた昔が
今も健在じゃわい、と
力ある者はニンマリ
というわけには
どっこい、いかないのだ
問題は我々の暮らしで
共産党ではない
反共主義を担いで
自分の喉を絞めるほど
もうお人好しではなくなった




