91/133
その27 性懲りもない話
みんなで担ぎ上げて
担ぎ上げたものの重さに
押し潰されるのだ
鬱憤はもちろん溜まっているうえ
マスコミが例によって
ミソもクソも同じもの
という情報を流すこともあり
大衆は担ぎ上げるのだ
縁も義理もないそいつを
自らの旗のように
何を担いでいるのかということより
みんなで担いでいるということの方が
今や酔わせるわけで
陶酔のなかで担ぎ上げたそいつは
羞じらう処女のようだったそいつは
いつのまにか
王座から野太い声で
担ぎ手たちに命令し始めている
もう遅いのだ
その時になって
何を担いでいたのか と
問うても




