表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅳ 第四詩集『蟻と土』     1997年刊
88/133

その24 葉の上で   人類の一種

   葉の上で


芋虫が蠢いている

朽ちかけた樹の

一枚の葉の上で


芋虫は知っている

己の正義と快楽

這っている葉の組成

本体の樹の発生と終滅の過程


芋虫にはわからない

隣で同じ葉を食べている

同じ芋虫の心情(こころ)


そいつが不意に

攻撃を加えてくる理由(わけ)


だから芋虫は

依然として芋虫のままで

蠢いている




   人類の一種


澄んだ瞳と

善良な気質が

そこに立っている


ほこほこと

肩の線が丸い


人の好い笑顔を浮かべて

ゆったりと歩いてくる


抜けている

と言うのか


目端が利いて

抜け目がない

それがそれほど上等か


どうか

殺さないでくれ

この種を


人の世の

住み良さのため


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ