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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅳ 第四詩集『蟻と土』     1997年刊
82/133

その18 一粒充足

〈毎日山に入って

 薪を伐り出し

 生計を立てていた孫エ門

 生活の資を与えてくれる山の神に

 いつも感謝を捧げていた


 ある朝山に入ると

 ぐみの木が

 ルビーのような実を付けている

 ああうまそうだと

 一粒を口に入れた

 口中にひろがる甘露

 孫エ門は満たされて

 うとうとと眠りに落ちた

 目覚めると

 夕方だった

 次の日もそう 

 その次の日も


 一粒のぐみで

 彼の食欲は満たされ

 肉体は若返っていった

 それは山の神のごほうび〉


一粒で

一日が充たされる

なんと幸せなこと


十分なのだ それで

一日という長さをを生きるには


宝石のような

一粒があれば


        (北九州の民話より)




               


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