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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅳ 第四詩集『蟻と土』     1997年刊
81/133

その17 ひととき   蟻と土

   ひととき

             

口に含むと

ゆっくり

五十回噛んだ

一つが口の中にある間は

他の食べ物を入れなかった


時間はゆったりと流れた


ー一時に()すは一事

 

そんな言葉に頷きながら

何とも安らいでいた


店内の人の顔や動き

卓上の器物が

鮮明に見えた




   蟻と土

               


風と埃に巻かれて

疲れきった蟻よ

行く手には

渇きと

干涸びた死

があるだけ

と誰かが囁く

だからほら、

その水に飛び込め

とその声が言う


お前は水に落ちて

あがく蟻ではない

寄る辺のなさに

幻の癒しを求めるな


お前には依拠すべき大地がある   

およそその上に立ち得る

最も堅固にして広大な岩盤が


蟻よ

土を這え そのまま

最も堅固にして広大な岩盤の上を

土から離れるな

掘れ

見つけ出せ

結びつけろ


実りは

大地がもたらす








  




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