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その16 ロボット人間 命のためにnervousを否定する
ロボット人間
刺激と反応
だけ
じっと考えたり
しみじみ感じたり
できない
刺激に対する
指定された
即座の反応を
強要される生活が
長く続いたから
刺激ー反応系が
固着してしまった
刺激がなければ
落着かない
そのくせ
刺激されると
苛々する
苛立ちながら
次々に刺激を求めて
頭から煙が出始めても
止まらない
電源を切られるまで
ぶっこわれるまで
命のためにnervousを否定する
〈nervousに意味はない〉
これを新しい標語にしよう
命は流動している
行為に溶けこんで
いつも前に進んでいる
行為は流露だ
滾滾と湧き出るものに押されて
飛沫をあげ
濡らし合い
潤し合い
満たし合い
(歓喜よ)
生きよ
前のめりに
勢いとなって
命は始まった川
為すべきは
流れること
ひたすらに
海に向かって
己を生み出したもの
に向かって




