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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅰ 第一詩集『帰郷』  1979年刊
8/133

その8 接近  (1)工業地帯

車道と金網に挟まれた

せまい人道


横を

轟音をたてて

大型トラックが通過する

吹きつける風

地面の揺れ

排気ガスに口と鼻を押さえ

危うく

体の平衡をたもつ


頭上に列なる

コンクリートのエンタシス

その上の軌道から

伝い降りてくる

重い轟き

新幹線の通過

金網に震える

労組加入を訴えるポスター


埃で地色を失った壁

その上に有刺鉄線

その向うに広がる

鉄サビ色の工場


S金属小倉製鉄所

鉄サビが

屋根に堆積し

車両と通路を染めあげ

構内に満ち

出入口から外にしみ出る


ひっきりなしの機械音

その中で

言葉を失った

ガラス室の中の人間

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