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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅳ 第四詩集『蟻と土』     1997年刊
77/133

その13 犬   ひとつの心情

  犬

               

蠱惑的に揺れる

黒い性器に

鼻先をぴたと据えて

牡犬が追う


背後から近づく

私の歩みに

彼ははっと顔を上げた


その眼いっぱいに

広がっていた

恐怖

人の眼を覗いたような


やはり

人は

動物から進化したのだ    

人間の感情は

彼等からまっすぐに伸びている


怯えた牡犬は

牝犬を追うのをやめた


私の前を

牝犬が尻を振りながら行く

振り返ると

牝犬と私を等分に見やりながら

牡犬が佇んでいる




  ひとつの心情

             


だまされたくない

確かにあるのだ

その心情が

私の胸のここに


馬鹿を見たくない

大切なものを捧げた報いが

命を取られることだった

みたいな


骨を折るなら

身を削るなら

それだけのものを得たい

当然にも


縁も義理もない奴の掌の上で

踊らされるのは真っ平だ       


騙すことを生業としている輩が

常に欺そうとしているし

瞞される役回りに定まっている人々が

いつも怨嗟の声を上げている


その間の細い道を

歩いていくほかはないので

なんとも困難なことだ

この心情を貫くことも


















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