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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅳ 第四詩集『蟻と土』     1997年刊
69/133

その5 吐息   頭髪をかばう歌

   吐息


フィットネスクラブの

更衣室で

吐息をついた男


人気のない空間に

それは大きく響いた


勤め帰りに

汗を流しにくる

金と時間を費やし

気恥ずかしい格好もして


体を保つための

義務も果たし

ようやく今日が終った


背広を着て

革靴を手に提げ

揺れながら出ていく

シャワーを浴びた

頬だけは火照らせて




   頭髪をかばう歌


髪の毛薄くなってない?

と女房に尋ねられると

いや、気のせいだろう

と応じる


白髪が増えたろう?

と女房に訊くと

そんなに変わらない

と答える


それほど呑気でもない暮らしを続けていると

相手の頭髪の衰微に

己を責めるものを

感じるらしい


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