表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅳ 第四詩集『蟻と土』     1997年刊
66/133

その2 喪失   職場の机

   喪失


それがあることを

何度も願う


それがないことを

何度も味わう


その日々は

何と短く過ぎ去ったことだろう

その日々は

なぜ断ち切られたのか

昨日も

今日も

明日も

なぜその日々を重ねることができないのか

それこそが望みなのに


思いはまた返っていく

それがあることへ

それがあった日々へ




   職場の机


勤めだして七年経って

机の引出しの使い方が

少しわかってきた


爪楊枝とかティッシュ

爪切りや耳掻き

歯磨・歯ブラシ・櫛・手鏡

そんなものも

入れておくべきところなのだ


職場の机などは

所詮仕事の付属物で

生活の一部を託せるものだとは

考えてもいなかった


思えば一日の三分の一を過ごす場所だ

机は仕事の道具であるだけでなく

生活の伴侶でもあったのだ


細かく分割して

種々の必需品が納められた引出し

整理された机上から立ちのぼる

生活の息吹


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ