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その12 四念処私解
諸法は無我である
あらゆる事物は
縁起によって生滅変化しており
我(不変の実体)を持たない
また我執ではどうすることもできない
受は苦である
縁起によって変幻する事象を
感受することは苦痛である
期待が裏切られるのを
眼で
耳で
鼻で
舌で
身で
そして意で味わうことは
我が身は不浄である
この身体は贓物と糞尿に満たされ
腐敗と消滅に帰着する
心は無常である
この心は感受に捉えられ
さまざまに移ろう
快と不快に駆り立てられ
一瞬間も同一でない
つまり
我が身の内にも外にも
堅固なものは何一つなく
すべてが動揺しており
執着しようにもよすががないのだ




