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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅲ 第三詩集『Recall Buddha』       1990年刊

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57/133

その10 Recall Buddha(2)

   2


チロチロと

赤い舌

常にうずくもの


汲み入れても

汲み入れても

満ちない甕(かめ)


消えることのない瞋恚(いかり)

絶えることのない苦しみ


生まれてから

死ぬまでを

貪りとおして

やすらぐことなく




   3


この身と心に

幸いはないのだ


この身と心は

苦悩をもたらすばかり


身はゆれている

心はゆれている


縁起によって

生滅するものに

堅固なものがあろうか


無知が媒介する連関を断って

ニルヴァーナがある

身と心への執着を捨てて

無上の安穏がある


確立されたやすらぎは

八方に薫る

清涼な風のように


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