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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅰ 第一詩集『帰郷』  1979年刊
5/133

その5 願い   貧乏ゆすり   雨

   願い


言ってもわからぬ言葉のために

何を言うべきかわからぬ心のために

絶えず生起する憎悪のために

冷たい眼のために

素知らぬ身振りのために

朽ちた能力のために

失った人生のために

突然の自殺のために

不意の他殺のために

人間が人間になれぬために


資本主義の廃絶を

私は願う




   貧乏ゆすり


貧乏ゆすり とは

それをしている様な

人間の状態では

豊富さ というものに

決して出会う事がない

ということを見通して

言われた言葉だ




   雨


雨が降ると


路も

家並も

歩く人も

存在を

したたり濡らし

手触りできる

立体となる


樹々の緑は

緑を極めようと

息を詰める


動きは席を譲り

在ることの静かさが

風景を領する


在るものは

在り様を

吟味するのだ


雨は白く降り続け

それらのものを

釘付けにする


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