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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅱ 第二詩集『彷徨』     1985年刊
42/133

その14 横が見えない

横が見えない という言葉がある

あいつは横が見えない人間だから

というように使う


人と人との連関に

背中を向けた姿

を言うのだろう


目的と自負を抱いて

脇目もふらずに走っている姿

のつもりだろうが

飛びくる()弾丸(だま)を避けて

周りを盾で囲い

中でうずくまっている姿

とも見える


自己の充実さえあれば

とは常々思うことだろうが

充実は

背中を向けている〝横〟から

生ずることが多いので

なにかしらいつも

満たされぬ表情(かお)

していることになる


向けた背中は

我が道を行く決意の

デモンストレーションと考えたいが

無視された〝横〟は

その背中に切りつけ

切り裂く


時おり首を前に落し

肩を上下させたり

息を大きく吐いたりするのは

背中が痛むのだ



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