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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅱ 第二詩集『彷徨』     1985年刊
41/133

その13 雪   横断

   雪


ゆき

ゆき

ゆき

ゆき

ゆきがふる

ゆきがふる日は

藁ぐつはいて

あなたの里に

かよいたい


ゆき

ゆき

ゆき

ゆき

ゆきがふる

いっそこの日は

勤めをすてて

あなたの里で

遊びたい


ゆき

ゆき

ゆき

ゆき

ゆきがふる

まるでこの世を消すように


ゆき

ゆき

ゆき

ゆき

ゆきがふる

わたしの胸のガランドウ




   横断


向うに何がある

せきとめられたのだ

動く必要がある


車の流れに

呪文をとなえる


路上を覆う

灰白の広がり

粉のように流れる霧


顔を左右に回らせても

見えているのは霧

久しい間

脳裡を漂うている

あの暗鬱な霧だ

霧の中から

黒い無機が

飛び出してくるだけなのだ


佇立

佇立すれば表皮に

付着する

しみてくる


呪文を唱えよ

〈すべてに終りがある〉


歩き出せ

とにかく


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