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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅱ 第二詩集『彷徨』     1985年刊
39/133

その11 眠りの前に

ヘッドライト匍う道

夜は重いまぶた

黒でない藍


この坂をあがって

くだる

道路の中央に

ほげたままの穴

事故死

空中の青白い窓


今夜も終っていない

道路工事の赤い灯


ヘッドライト匍う道

この道も世界の一部

なのに

心象の中に刷りこまれているような


毎夜匍う道

一日はこうして終るもの

消えた日々の屍は

老いという礁を成そう


―お疲れさん

 仲居のお別れ

―おやすみなさい

 炊事婦のお別れ


ヘッドライト匍う道

ガソリンのように減っていく生命(いのち)

この無限往復


〈いまからは自由だ〉

いつもの小さな誘惑

しかし すでに

黄色く照らし出された道は

フロントガラスに伸びあがり

覆いかぶさって

肺葉にぶらさがり

重みで破れる下端より

しみこむ瘴気

しびれていく脚

シートに落ちこむ尻

をどうする


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