表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅱ 第二詩集『彷徨』     1985年刊
38/133

その10 ベトナムの二重体児

胴体の両端に頭

一つはニコニコ笑い

一つはぐっすり眠っている

胴体の中央に直角についた一対の足

その間に小さな男性器一つ


やあ、兄弟、お目覚めかね

ぼくはさっきから考え事をしていたんだ

ぼくらは何モノなんだろうと

こちらの一本がぼくの足で

そちらの一本が君のだろうか

へそのところが

ぼくと君の境界線なのか

でも君が痛いときは

ぼくも痛いんだしね

このチンコは

君とぼくとの共有物か

体はつながっていても

ほら、今ぼくが思ったことは

君にはわからない

君はよく泣くが

ぼくはおとなしいしね

ねえ君

ぼくらは

時々ぼくらを周りから見下ろす

あのニンゲン達と同じなのだろうか

同じはずないよね

全然違ってるものね

ぼくらはきっと

なにか新しい生き物だよ

そうだろ

今は君とぼくしかいないけどさ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ