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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅱ 第二詩集『彷徨』     1985年刊
37/133

その9 朝   大阪紀行

   朝


食事を始めるころまでは

かすかですが

朝らしい夢もあり

なごむ気持もあるのです。

しかし僕らは

あまりしゃべらず

テレビの画像を見ながら

箸を動かすのです。

夢を食べていくようなもので

残されるのは

食べがらと出勤時間。




   大阪紀行


どうしても発見できない男は

どうしたらいいでしょう


ながい間

努めて生きてきたのですが

壁にぶつかるばかりで


閉口しました

自分にも


通路にしゃがんで

待ってるのです

小さなカレー店の席が空くのを

なにしろ椅子が五つしかない気取った店で


見上げれば

視野いっぱい

ワンサカワンサカ湧いてくる

人また人

とくにこの地下街などはイヤハヤ

耳を剃り落すように

革靴がふりおろされ

コンクリート削りとって

ハイヒールが軋り

十年後も二十年後もこうして

ワンサカワンサカ湧いてくる始末で

私が疾うに朽ちた後も



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