表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅱ 第二詩集『彷徨』     1985年刊
34/133

その6 CF的世界への感懐   たばこ

   CF的世界への感懐


たとえば海

オレンジの帆のヨット

白波を蹴立て

水平線を追いかける

しぶきをあびて

同胞(はらから)のように笑いあい

ジョッキを傾ければ

喉仏つたうビール

おお、このうまさ

〇〇ビール!


―でも


ヨットが陸に着いたら

足が陸地を踏めば

別々の小さな穴に向って

足もとから伸びはじめる

別々の黒い細道

しほたれ うつむき

影を曳いて歩き

穴のドアを閉めれば

ほらここと同じ場所だ




   たばこ


ツノ突き合いのただ中で

お前を咥える私には

ザラつく口中と胃の疼痛

だけが供給されたよ


深く吸って

くらっと酔って

ツノ突き合いに不覚をとっては

と身構える苦しさ

がせいぜいで

一口吸うと落着かぬ腰をあげ

あちらに行き、こちらに戻り

愛想を演じ、ツノ突き合い

気づけば吸える長さもなく

あじきなく

捨てるたばこよ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ