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その4 風鈴 第二期
風鈴
風鈴鳴って
煙草ふかせて
髪の長い人魚のように
逃げていく風を
目の隅で見送りながら
ぼくは沈静な腰掛けに
あの日のように屈まって
悲しみを見ていました
思い出というよりは
見通しというような
冷風の吹く丘の上で
深い穴から湧き出る
清水のような悲しみを
汲み続けておりました
それがありえますか
いつもこうして
遠ざかってしまった場所で
悲しむばかりではないですか
第二期
保守的と言われて
肯うほかなかった
なくしてしまった
あの吹くままに膨れる
シャボン玉
の伸びやかさは
ストローから離れると
ひと吹きの風で
こわされたから
肯おう
人や物資を吊り下げ
海を隔てた国まで
飛んでいける
気球
を打ち上げるために




