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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅰ 第一詩集『帰郷』  1979年刊
19/133

その19 杭

床に入り

仰向けになって一息つく

逃れるように

本に伸びたがる手を止めて

そのまま天井を見続ける


たまには

己の抱えこんだ不安に

ぴったりと身を寄せよう


今日一日

むしろそれを避けるために

忙しく手足を動かして

終ったのだとしても


糊塗したセメントに滲出する

黒い地下水のように

そいつは胸に浸潤し

歯ぎしりしたいような不確かさは

意識の底を噛み続けるのだから


真向うことを

放棄した日常の

「なめらか」な流れ

その中で

俺が

溺死するのであれば

むしろ


苦しさを越えて

己の抱えこんだ不安に

ぴったりと身を寄せよう


流れに打ちこむ

杭として


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