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その16 事大主義 天職
事大主義
世過ぎに未だ慣れてないのか
一つ事に錐揉みし
入れ損ないのギアのように擦り減る
事大主義よ
この世の棘に傷つかぬため
いつか身につけた鉄の枷
日常の無機に
それはふさわしかった
なるほど
その不毛さに
今は俺も気づき始めた
だが越えれるか
そのために
俺の手許にあるものは
天職
天職を探している
それさえ摑めば
何も恐れるものはない
人を愛したい
社会を変えたい
他人とつながりたい
何か俺にできないだろうか
小さな仕事でいい
俺の全てを要求し
なお足らぬ仕事を
有りそうな気がする
足許に土を被って
待っているような気がする
必ず見つける