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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅴ 第五詩集『おれの場所』   2007年刊

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108/133

その10 常在戦場

「常在戦場」と

得意気に揮毫する政治家がいたが

彼らの功もあって

暮らしの場は

戦場の様相を呈してきた


隣に座っていても

互いに口をきかない

隙をみせるな

やられるぞ

弱みをみせるな

どんなに苦しくても


硬直した

突っ張った

どんな和みもない

痛いほどにぴんと張った    


発火点が

視野の端にちらちらして


死にかけた部分は    

すでに腐臭を発している 


真ん中には           

どかんぽっかりと空洞      

周縁だけがひりひりと焼けていて 

その辺りから    

刃物を持った男や  

わが子を殺した女が 

飛び出してくる   


死屍が積み重なる

この暮らしの戦場にも





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