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高1を12回ループしたクラスメート達が賢者モードになっている件  作者: 陽乃優一
第一章 彼らと彼女は、何かを悟っていた
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03「……みんな、スタイルいいんだね」

新規挿入分です。次回も新規の予定です。

 今日は定期健康診断の日だ。身体測定も併せて行われることもあって、一日まるまるをそれらに()て、授業は行われない。内容が内容なので、こればかりはループは関係ないな……と、思っていたのだけれど。


「うふふふ、安積さん、どう? 私達」

「……みんな、スタイルいいんだね」

「でしょでしょ!」

「え、それもループと関係あるの!?」


 朝の決まった時間に、他の女子クラスメートと更衣室で一斉にジャージに着替えたのだが、その、出るとこは出て引っ込むところは引っ込む、ナイスバディなお姉さん達ばかりとなっていた。ウチのゆったり目の制服ではよくわからなかったのだけれども。


 ……はて、最初の体育の時は、そんな様子はなかったよね? たとえば、今話しかけてきた湯沢さんはもっとぽっちゃり、鳴海さんはどちらかというとスレンダーだったような。それが今はみんな、ぼんっきゅっぽっ、って感じで。


 私? どこもかしこもすっきりしてますが、何か。ぺったん、ぺったん。


「安積さんにも、後で教えますね。効果的なダイエット法と食事」

「いやあの、効果的と言ったって、ループ開始からまだ2週間ほどだよね? いくらなんでも」

「あと……」


 むぎゅっ


「きゃっ!?」

「ここを……こう」

「そして、こうね」

「んっ……あれ?」


 詳細は省くけど、ある部分の寄せて仕舞う方法とか、背中から腰にかけての姿勢とか。とにかく、いろんな『見せ方』を、周囲の娘たちにテキパキと指導された。もちろん、雑誌とかで既に見た方法が多かったけど、なんというか、私の体型に合わせて的確、かつ、手際が良いのだ。


「さて、どうですか?」

「わあ……」


 更衣室の壁にひとつだけ付いている鏡を見て、思わず感動した。これが私のスタイル? みたいな?


「ループの中で、プロ級のテクニックをこれでもかって身につけたからね! それも、あらゆるタイプの!」

「もちろん、元がないとどうにもなりませんけど、ぜい肉と思っていたものも、適度なスタイル維持には必要なのですよね」

「っていうか、モデルとかアイドルも、プロにやってもらってるよね、こういうこと」


 なるほど……。


 でも。


「でも、なぜこれをもっとはや……じゃなかった、今教えてくれたの?」

「それは……ねえ」

「そう……ですわねえ」


 ?


「と、とにかく、後で美容トレーニングとかも教えるからね、楽しみにしてて!」

「うん。ちなみに、トレーニングってどんなの?」

「んー、とりあえず、腕立て伏せ10回を毎日3セット?」

「えっ」



 体育館で男子クラスメートと合流して、出席番号順に身長や体重、座高とかを測っていく。この学校では男女混合で測定するのかー、ちょっとはずかしいなあ、と思っていたら。


「お、みんな、今回も(・・・)ナイスバディだな。ジャージだとよくわかるぜ」

「だな。眼福眼福」

「ちょっと男子ー、あけすけ過ぎ。今回は安積さんもいるんだから気をつけてよ」

「あ、しまった。ごめん、安積さん」

「えっと……うん、気にしないで」


 というか……男子達も鍛えてるよね、たぶん。あ、あんまりまじまじと見れないから、ちらっとだけだけど。うん、ちらっとだけ。


 それにしても、やっぱり12年(12周)も同じクラスだと、男女間でも仲がいいんだなあ。ちょっと、仲が良すぎる気がしないでもないけど。後で、安藤くんあたりに聞いてみようかな。


「はい、みなさん、次は体力測定ですよ。……言わなくても、わかってるわよね」

「「「「「はーい」」」」」


 担任の白鳥先生が、ずっと喋っていた私達を注意して次の測定を促す。


「あれ? そういえば、白鳥先生も……」

「ダメですよ、安積さん。それに触れては」

「そうそう。1セットだけで4日後に筋肉痛とか、残念過ぎる」

「いいから、早く行きなさい!」


 たとえ何度ループしても、どうにもならないことがあるようだ。

すみません。短編版から入った人には『ちがう、そうじゃない』かもしれません(言い訳)。

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