ウェポン・オブ・ロマンチック(4)
地味な戦闘が長々と続きます。
この回は飛ばしても問題はありません。
模擬戦といっても、シミュレータでの話。現実では模擬弾を使っても流れ弾で大惨事とコストも馬鹿にならない。何せ、少女達の武器は巨大だから。
そもそも、少女達が住まう狭い地下では機動力も生かせず、地上でやるにしても馬鹿騒ぎにつられて人類の敵バーピックまで現れても、洒落にもならない。
それにシミュレータといっても、高度に発達した今では現実との差はほとんどない。なら、現実への影響がない、シミュレータの方が何かと便利である。
この模擬戦のことは司令であるハヤミにも連絡してある。部隊が違うこと、勤務時間が違うことなど、いろいろな制約以上にこんな楽しいことを少女達が無視するわけがないからだ。むしろ、その対応の方が大変だから、事前に連絡をしている。
部隊内での模擬戦なら単なる面倒なことなのだが。
この模擬戦はレモアが日中勤務でグラスが非番の時に行われた。この日程はグラスの提案で、発案者であること、自身の時間を犠牲にされる先輩の余裕を見せている点もあった。
これに関しては後々、意味を持たせるグラスの作戦であった。
「アキラ、口出しは無用だ」
ハヤミはこの模擬戦に立会人、いや、イベントの運営スタッフを買って出るしかなかった。そして、アキラもまたハヤミに連れられてきている。今後においても経験となるためだ。
シミュレータは格納庫近くにある部屋に置いてある。また、模擬戦だけでなく、兵器の開発にエンジニア部門も使っており、ここ最近はレモアも入り浸りであった場所である。
そして、シミュレータは映像としても処理ができる。そのため、他の者がその内容を確認することや、それを見て楽しむことだってできる。
観客となる少女達は格納庫や食堂などで模擬戦の始まり、映像が処理される時を楽しみにしている。
当のシミュレータをする側は椅子に座っているだけ。とはいえ、あらゆる感覚はコアを介して、シミュレータの中にある。今、座っている少女の体は必要最低限な機能だけで生きている。それは人形ともいえる状況。
「さて、このままだと観客どもの声が聞こえそうだ。そろそろ、始めよう」
格納庫や食堂では今や今やと楽しみにしている少女達が会話をしながら待っている。シミュレータは隔離した部屋で防音機能は十分とはいえ、そう感じさせるほどに少女達とはそういうモノである。
シミュレータ内ではレモアとグラスが装備等の最終確認を行っている。今回の戦闘エリアは何もない平原。基本的にはこのマップしかないぐらいに、ここでしか模擬戦は行われない。
理由は勝負に影響のある不確定要素が少ないことと、地上はほとんどが荒れ地で平坦な平原と大差がないこと。むしろ、後者の意味合いの方が前者よりも強い。
戦闘を開始するカウントが始まった。双方とも準備は済んでいる。お互いは戦闘エリアに描写される。自身と仮想の感覚はコアを通して演算され、自身の体験、出来事とする。
レモアは愛用のレーザーライフルで、グラスもまた愛用の2丁の短機関銃。両者とも武装を巨大化に展開済みで、自身の側に浮かしている。
それでもレモア自身の倍以上あるレーザーライフルと、グラスと同じ大きさで2丁の短機関銃。これが戦うのは明らかにハンデがあることは素人が見ても分かる。
また、グラスは左右に光沢のある半球のシールドも展開させている。大きさは古来の盾と同じぐらい上半身を何とか隠せる程度。それに対して、レモアは左側に半身を隠せる程度の四角いシールドである。両者とも相手の武器に対して、有効なシールドを選択してきている。
お互いは目視では少し確認しづらい位置にいる。
短機関銃にしても射程は1000m強は有効範囲。また、推進装置の移動力は10秒強もあれば、その距離を詰められる。目視で表情が見える状態では文字通り取っ組み合いのケンカにしかならない。この程度の距離は離れていないと模擬戦にならない。
それに目視でも補正をかけることもできる。観測機器も使えば、目視以上に情報を集めることができる。
また、その火力も現実と同じで、ファミネイの力場による軽減でも、レーザーライフルなら2発も食らえばアウト。短機関銃なら数十発ぐらいまでは連続の直撃には耐えられるが、それ以上からは直に弾丸をもらうことになる。
バーピックの場合はそれよりもう少しダメージを与えないと倒せない。ついでだが、バーピックの攻撃は、ゴーレムのエネルギー弾だと直撃でピンチ、2発目は耐えられないである。
カウントが終わる。戦闘開始である。だが、開始と同時に両者は後方へ下がる。それに驚いたのは当のレモアを始め、比較的キャリアの少ない観客達である。だが、一部のベテラン勢は特に驚きはない。
レモアは相手が接近戦を仕掛けてくることと、自分の間合いを確保するために距離を取って後方に下がったが、グラスの場合は意味が分からない。いや、意味はあるはずである。
何せ、グラスの役割も武器も距離を詰めないと効果がないから。しかし、グラスは背を見せている。完全に逃げである。だが、ここはシミュレータ。逃げることはできない。
レモアは判断に迷った。このまま、距離を取り攻撃するか、それともグラスの後を追うか。だが、そのわずかな迷いすら、許されない。それが狙いかもしれないから。
レモアはグラスの後を追うことにした。そう直感で感じたからだ。理由は特にないが、どちらの行動をとってもグラスは対応を考えているはず。なら、自分が対応しやすい方を選択しただけ。
レモアもグラスも機動力を得意とする。ゆえに単純なスピード勝負であれば、大差はなく、差が付いた状態では追いつくことは直線では無理。それは本来、グラスのように接近戦を主とするのであれば問題となる話。
レモアにはこの状況はあまり関係はない。長距離も楽にできるレーザーライフルを持つからだ。この模擬戦のエリア内であれば、端から端まで有効範囲だ。とはいえ、当たればの話だが。
ひとまず、移動しながらレーザーライフルを構え、発射のために大体の狙いを付ける。
グラスは背を向けているが、別にかまわない。コアにある観測機器は視覚に頼らなくとも、問題ないからだ。後ろの出来事は手に取るように分かる。むしろ、視覚の方が不便なぐらいだ。
それにグラスの展開しているシールドは背中を守っている。光沢、半球なのはレーザーに対する対策、数発は受け流すことができる。
レモアの照準も視覚情報は補正には使っているが、観測による距離、相手の動きから予測された情報などから射撃ポイントを割り出す。当然、シールドに当てるヘマのないように観測はしている。
グラスもレモアの動作から、射撃ポイントを予測する。そして、照準をずらすためにも左右に大きく蛇行する。シールドでも防ごうとしている。
ひとまず、レモアはけん制の意味でも移動を緩やかにして、レーザーライフルを放った。
グラスは発射を確認すると、勢いよく推進力を使い、横へと避けた。レーザーは発射から着弾まではタイムラグはないが、発射動作から発射までには時間が掛かる。それを予測して避けた。それでも、結構ギリギリだが。
グラスはそのまま、反転してレモアに向かってくる。この距離では短機関銃の有効範囲はギリギリ。命中を考慮すれば、もう少し迫る必要がある。
レモアは今度は逆に後方に下がろうとするが、グラスはそれを許さないように短機関銃を放つ。レモアに銃弾には当たらなかったが、進行方向へは着弾していた。
それはただ、外れたわけではなく、意図的に狙い、後方へ進行を阻止していた。レモアは瞬時に横へと移動して、銃弾の軌道と最適な移動ルートを割り出す。
グラスの利き手側にある、右の短機関銃の銃身は延長されている。ロングバレルを装着して有効射程を伸ばしたのである。連射性、命中にわずかに犠牲はするが。
背を向けていたことで気づかれないよう、アルミカンでロングバレルを換装していたのだった。また、蛇行した際も照準を妨害するもあったが相手との間合いを詰めてもらう意図もあった。
レモアがそのことに気がついていても、そのことによるリスクを想像していなければ無意味であった。そもそも、射程の伸びる可能性など考慮できていなかった。しかし、今はイヤでも気がついている。
つまり、レモアは知らず知らずグラスの間合いに自ら近づいていた。こうなるとグラスはただ、レモアに迫り、銃撃で追い込めばそれで勝ちは手堅い。
レモアの方はシールドで銃弾を受けるか、避けながらも多少はリスク覚悟で後方を目指し距離を稼ぐしかない。近接させてしまっては、グラスの独壇場であるから。
グラスはまだ遠いのか、銃撃は攻撃よりも追い込みに使っている。また、ロングバレルは連射時にぶれやすくなるので、短機関銃でありながら、スリーバーストで狙撃に使っている。
ただ、この距離なら威力、命中率を気にすることなく、その2丁の弾幕で勝負に出ても勝てる可能性は決して低くはない。あくまでグラスは堅実な勝ちを得ようとしていることと、この模擬戦は教導的な意味合いを持たせている。
つまり、まだこの模擬戦は始まったばかりなのだ。
この距離、この状況でのレーザーライフルの応戦は危険となる。何せ、コンセプト時でも話題になった通り、チャージ、連発はコアに負荷が掛かるためだ。推進力もコアから作り出したエネルギー、レーザーライフルと同じ。つまり、機動力も犠牲となる。
そもそも、まだ追い込まれているだけで守りに徹していれば、短機関銃のダメージは今のところ問題はない。とはいえ、レモアもグラスの意図を否応なしで気がついてはいるが、打開策は思いついていない。
今は近接、射撃の両立はできない。そもそも、レモアが望んでいたことがここにあるのに。
さて、グラスも追い込みは拮抗しているだけで進展がない。レモアの状況を見て、グラスは考えていた作戦の第2ステップに移行する。
グラスは自身の制限を一時的に解除する。これにより背中にあるコアは更に肥大化し、出力を増加できる。これは禁じ手ではない。もっとも、回避等の緊急装置で使われることが多い。攻撃に転ずるためにはあまり利用されない。
グラスの速度は増し、有効射程距離へと一気に詰める。レモアは一瞬、混乱する。経験の浅いレモアにはこれまた予測ができていなかったのだ。ただ、何もせずに射程内に入ることを許してしまった。
レモアはひとまず、立ち止まりレーザーライフルのチャージをする。こうなっては避けきることよりも耐える方が攻撃に転じやすいと判断したからだ。
その判断は間違っていない。短機関銃の弾幕は近接時ではファミネイの小柄の体でも避けきるのは難しい。ただ、前述でもあるように少々ならこの弾幕の直撃も耐えられる。それにシールドも半身が隠せる大きさで用意している。
もし、避けることを考えれば、こちらもコアの制限をリスク覚悟で解除すべきである。
レモアはレーザーライフルを発射されるのではなく、槍のように短く照射させる。それでも3mほどのレーザー光を連続照射である。これは「ランサーモード」。先の検証している際、作られたアイデア機能である。
レーザーライフルは最大出力での連続照射は無理して数秒が限界だが、威力や距離を制御することでレーザーブレイドと同様に連続照射をレーザーライフルでも可能とさせた機能。
ただ、この「ランサーモード」は火力はびっくりするモノではない。相手に密接して、継続させることでようやく通常時よりダメージが与えられる。その性質上、切るよりも突き続けることが重要である。
そのため、通常の巨大な接近武器と運用はあまり変わらない上、サポート無しでは戦闘も難しい。
とはいえ、初期コンセプトに一番に近い形で、別にかさばるわけでもなかったのでレモアはエンジニアにいわれるまま機能追加させていた。
だが、今はいい活用法が思いついている。グラスの短機関銃は実弾。レーザーでも多少は打ち落とせる。なら、「ランサーモード」はこの場のカウンターには最適である。
だが、近づいてくるグラスはレモアのその対応までは予測できてなかったが、次の手に問題はなかった。
グラスは左側の短機関銃を発射させる。レモアもそれを見て、相手の射撃ラインになぞるように「ランサーモード」で突進する。
だが、発射されたのは炸裂弾。左側の短機関銃には炸裂弾が込められていた。
炸裂した破片のダメージは小さいが接近した状態では地味に痛い。だが、短機関銃から発射されただけにその痛みは馬鹿にならない。ただ、食らい続ければ致命傷にもなりかねない。
炸裂弾では「ランサーモード」での打ち落としは効果が薄い。レモアはシールドでの防御に切り替え、シールドに体を収まろうと身も屈める。
接近でありながら、自ら檻に入った格好になってしまった。ただ、接近武器でないので守りに徹していてもリスクはまだ薄い。接近武器なら、この状態で守り徹すれば文字通り棒叩きだ。
グラスもそれ以上の接近をせず、レーザーライフルを掲げる右側とは反対の左側から回りこむ。一応、レモアが守り徹しているとはいえ、射撃ラインを避けるためだ。
機動力が優れていても旋回は別。特に長物のレーザーライフル。スムーズに旋回はしにくい。更にグラスは制限解除した機動力の前では追えきれない。
レモア自らの檻に閉じ込めたとはいえ、その間、グラスは必要以上に銃を撃たない。そして、旋回で背後を取っても、自身の間合いから離れていく。
何度もいうようだが、あくまでグラスにはこの模擬戦は訓練の位置づけ。初めからここまでは想定済みの展開。単なる模擬戦なら、ここで決着は付いている。
グラスは定石を外している。いや、そもそもがハンデ戦に近い戦い。本来、ここに気がつくべきであった。この模擬戦は装備の差で教本通りではグラスは勝てない。だから、勝つためには常識を捨て、定石を外すしかない。
レモアは守り徹する間も混乱で何もできずにいた。そして、グラスの取る手加減の意味にも理解できずにいた。レモアは攻撃から解放されて、ようやく背後を振り向く。
グラスは制限を解除した反動か、立ち止まっている。仮想空間であっても、その反動は実際の体を通して感じている。また、レモアも精神的にひどく混乱している。これは仮想だからといって、関係ないことかもしれないが。
グラスは自身の射程外にいる。再び、振り出しに戻った。とはいえ、状況は双方に疲労している。
レモアはこの状況に打つ手がない。いや、堅実に戦えばまだ勝機はあるかもしれない。とはいえ、完全にペースはグラスに支配されている。それを打破しなければ、勝ちはない。
相手、グラスは既に次の手を考え付いているはず。でなければ、先ほどでも勝ちを得ているはず。
ひとまず、レモアはその場でレーザーライフルを構える。それに対するグラスの反応は自身の周りの地面を撃った。
レーザーは確かに土埃、水蒸気などの空気中の不純物で軽減するが、少女達が装備する武器ではよほど大きな爆発時でもない限り、誤差にもならない。また、目視に頼らない少女達には目くらましにもならない。
そんな状況でグラスは再び、後方に下がる。しかも、ただ直線的に。明らかに誘っている。この場は追わずに守りに徹するのが、正解だろう。
しかし、先ほどの行動は逆に何か仕掛けた可能性もある。今まで行動で、レモア自身が留まることを容易に考えられる。なら、それを見越しての行為なら、ここから離れる必要はあるだろう。
どちらにしろ、グラスとの距離は離れる。射程距離には関係ないとはいえ、レモアはただじっとしていることが逆に不安となる。
ひとまず、グラス側の射程距離が離れたことを確認して、レモアも低速で後を追う。地面を撃った所に警戒するが、特に怪しい点は見当たらない。一応、レモアはその場は迂回して追う。
その直後、爆発。
そう地面を撃ったのは無駄な行動ではなかった。自身の行動に対して目隠しにしていたのだ。ハンドグレネードをただ投げるだけの些細な行動であったため、土埃の中では観測機器を使っても気がつくことは難しかった。
また、地面で撃ったことでハンドグレネードの置かれた違和感も軽減されている。何かあると認識して、詳細に観測していれば見抜けたかもしれないが、そこまでの処理は戦闘の中で1人が行うには難しい。
それにハンドグレネードには簡易の推進力を持たせいた。少しぐらい迂回してもレモアを捉えられるように。これは常識ではありえない。起爆はコントロールできるので、届く範囲で投げていれば、それで十分。このようにハンドグレネードをトラップで使う発想はない。
また、今も移動して際も密かにハンドグレネードを落としている。仕掛けた場所に大きく迂回した時の際、再度誘い込むポイントを増やすためだ。
もっとも、バーピック相手にトラップはあまり有効でもないため、ファミネイにはトラップを活用する戦術もあまりない。
これは上品な教本にはない、先輩達から受け継いだ戦法。また、ユニークな奴らに対するアグレッサー的な戦法、戦術でもある。グラスが身を持って、学んだ経験でもある。
グラスは再び切り返して接近する。多少距離は離れているが問題ない。
今、レモアは爆発の直撃で機能が著しく低下している。特に意図して推進装置の足下で爆発させていた。機動力を奪うためだ。
レモアはダメージでいろいろと異常をきたしている。武器を制御している力場も不安定である。それに推進装置は機能停止。今は移動手段は徒歩しかない。
回復にはアルミカンとコアの稼働となるが、そうなると完全に身動きが取れない。だが、今はそちらが優先。このままでは、何もできないから。
もはや、目の前にはグラスの顔が。
模擬戦において直にタッチすることは完全な負けを意味する。ファイターの接近武器でも完全に密着することはない。それを許したということは、あらゆる攻撃をされた意味になるからだ。
だが、それは容易なことではない。このように相手の機動力を奪うなりしないと。
グラスがここまで翻弄してもトドメを刺さなかったのは、このため。完全な勝利と敗北を与えるため。
だが、レモアとて、それは回避すべき事態。黙って負けを認めるわけにはいかない。今度も前へ進む。もはや目の前のグラスに対して。
意図していなかった突進にグラスは避けきれず、レモアの額と額がぶつかる。レモアは再び爆発時並みの痛みが走る。当然、グラスも同じ痛みが走る。
レモアは覚悟を決めていたが、やはり痛い。だが、グラスには予測していなかった。ここでようやく、レモアのターン、ペースに持ってこられた。
だが、推進装置はまだ回復していない。レーザーライフルもコントロールできないし、蜜着した状態では巨大な銃身のせいで銃口は、今は遠く離れている。なら、どうする。
レモアは腰に手を伸ばす。展開していない人間サイズの短機関銃だ。これは機会があれば2丁持ちで使おうとしていたモノだ。使っている暇はなかったが。だが、これなら、この場でも使える火器である。
頭突きの痛み程度でそれを許すグラスではない。それにグラスの展開された巨大な短機関銃であっても取り回しはきく。レモアに銃口は向けられている。
容赦なく、近距離で先に発射したのはグラスの方だ。それに展開されていない銃器のダメージはいくら接近していても、無傷のグラスにはまだ致命傷にはならない。撃ち合いとなれば、勝者は決まっていた。
それでも情けか、見せしめか、発射された弾は先ほどから入れ替わってペイント弾であった。ただ、近距離で発射されたため、レモアの存在は戦闘エリアから消されていた。シミュレータは戦死扱いとしたのだ。
その場に残っていたのはペイント弾で赤く染められた地面だけであった。




