流れる月
月が流れている。空の色は月に流されている。こころの形はもうひとつの影に埋もれて落ち葉の中でないと見つからない。寂しい僕らの歌を歌っている少年は、くるくると旋回しながら昨日の街へ駆け下りて行った。
ある日の夕方の白鳥のように、ぜんまい巻かれたおばさんが七面鳥を探している。そこへ向かうぼんやりの大群はコーヒーを飲みながら朝までわめいている。わあ、わああ。
少しずつミントをハッカにして踊りを踊るのは、明日の天気が心配だからだ。わあ、わああ。
虹色のセロファンの上を、シャボン玉がふわふわ、ふわわ。