びしゃっ!!
カチッっ
「うん。」
ズロ……
「っしょ──とわッ」
ゴッンっ
「あッ!!」
ドツッ
「あ痛っ」
びちゃっ!!
バッちゃッん
「ぁああぁ熱ッッッつッッツッッぅつぅぅッッ!!!」
ガロン──ゴ……ロカロカロカロ──コンッ……カロリ・・・・・・。
「まぁたやっちったよ〜ぅっ……」
目の前の惨状を人事のように眺める前に、水で冷やしながら足の様子を確認。
うん。何とかなりそう。
強く打ちつけた臀部は痛みを主張しているが、まぁ、折れてはいないだろう。
……今日こそはうまくできたかと思ったのに──。
わたし以外の家人はいま留守をしている。
だから、普段料理を全くせず、学生時代の家庭科の成績は5段階の2か10段階の3だったわたしが好きでも上手でもない食事を作ろうと試みていたのだ。
昆布と鰹節と椎茸で出汁をとって好きなものをたっぷり煮込んだスープが、結構いい感じの出来だったんだけど、作りすぎて重い鍋ごとコンロから移動させようとしたら、転んでひっかけて全部ぶちまけた。
……もったいないな。
厚めのビニール袋に氷と塩と水を入れて口を縛り、それを足に当てながら鍋に具材を拾っていく。
タオルで汁を吸い、流しに絞っては床で吸いの繰り返し。
「さてっ」
粗方片付いたら、仕上げに乾いたタオルで拭いて使用済みタオルを洗濯機に放り込んでスイッチを入れて終わり。
「……やっちゃうか。」
キッチンに戻って鍋の中身をさっとゴミをとって水洗いして、水をいっぱいにして火にかける。
「落ちたくらいなら、熱殺菌でどうにかなるよね……?」
誰もいない家では、返事もなければ異論を唱えられることもない。
「よし。」
とりあえず鍋が沸騰するまでは、流水で足を冷やし続けた。
その後足に火傷の後は残らず、スープの具材の成れの果ても美味しくいただきましたが、落としたものを食べるのは、特にお腹の弱い人にはあまりおすすめできません。
日常的にやっている方がいらっしゃいましたら、うっかりがないようにご注意ください。