かっこいい彼
彼がほほ笑むと女の子達は頬を染め上げる。
彼が動くとその周りには同性も異性も詰め寄ってくる。
運動神経もルックスも…そして友達付き合いも完璧な彼。
愛「やっぱすごいね。島田君。佳奈は行かないの?」
佳「行かない。あんな奴大っきらい!!」
私は騒がしい廊下に背を向けて机に突っ伏した。
愛「なんで?あんなにかっこよくて運動神経抜群なのに…」
佳「…」
私は笹倉佳奈。半年前に転校してきたんだ。そしてこの子が桐谷愛。一番最初に友達になったんだ。愛は知らないあの人気者の裏を…
蓮「笹倉さん。ちょっと来てくれるかな?」
透き通るようなきれいな声…
佳「!!」
ビクッとして振り返ると意地悪そうな顔をした蓮が立っていた。
ほかの人には見えてないみたい。だれなのあの子?などいいながら視線を突き刺してくる…
佳「い…いやです。」
蓮「桐谷さん。笹倉さんを借りてもいいかな?」
優しく、王子様スマイルでいう蓮に愛は
愛「どうぞどうぞ~!!」
佳「え!?愛~」
愛のほうを振り向くと「島田君に名前をよばれちゃった~」とクルクル回っている。
もっと友達を大切にせんかっ!!と心の中で呟いて蓮のほうを振り返る。
蓮は勝ち誇った笑みを見せて言った。
蓮「じゃあ行こうか。笹倉さん」
私は観念して
佳「5分だけです。」
そういい鋭く突き刺さる視線の中蓮について行った…