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大雨の出会い(4)

今回は下ネタが多いです。

くだらんことばかり書いています。



でも作者は女なのです。

「はあ…お会いしたかったわ…私たちの、救世主様!」



 全身ずぶぬれで傷だらけ、物語序盤から小屋のドアをぶっ壊して登場するという乱暴狼藉を働いてみせたのは、意外にも可憐な少女だった。小柄だが、顔つきを見るとダルとルヴェアよりも年上のようだ。18歳くらいだろうか。


 白いブラウスに赤いスカート、襟元にリボンを結んで髪を三つ編みにしている彼女は一見清楚な印象を与えるが、今の行動を見る限り、果たして……。




「申し送れました、私、天上界王宮第一書記のポーチと言います。…ね、救世主様。ずっと捜していたのよ!だから早く、私と一緒に来てください!」




 将軍様の国みたいな役職名を述べ、ダルの腕にすがるポーチ。しかしよく見ると、華奢な体には似合わないその豊満な胸を、彼に押し付けているではないか。


 …なるほど、小さく見積もってもDカップといったところか。


 ダルは冷静に分析する。



 しかも…この感触は、ノーブラ……。



 とはいえ、もちろんこんなことでたじろぐダルではない。むしろ、彼女の行動を気にしているのはもう一方。




「いや、ちょっと!いきなり人んち押しかけてきて、何者だ!」



 大胆な行為を見かねてか、ルヴェアはダルからポーチを引き剥がそうとする。


 と、ここでポーチは、初めて彼の存在に気付いたようだ。



 大きな目を1度ぱちくりさせて、それから。






「何よアンタ!メイド服なんて着てさ!……あ、分かった、こんなところに救世主様を連れ込んで同棲して、誘惑しようとしてるんでしょ!すでにあんなことやこんなことまで教えちゃったんでしょ、この淫乱ホモめ!ホモ・サピエンスめ!言っとくけど、私たちの救世主様はそんな男じゃないはずよ!それにヒロインは私だしね!もう、アンタみたいな変態は死刑っ!!」





 一息でこれだけのせりふを言ってのけると、ポーチは頭上に指で魔法円を描いた。そしてルヴェアの頭を片手でつかみ、円の中心に向かって力いっぱい投げ飛ばした!




「くっ…俺はホモ・サピエンスではあるがホモじゃないっ…!」




 それが、ルヴェアの最後の言葉となった。情けない限りである。

 魔法円の中に吸い込まれた彼は一瞬だけ青い光に包まれ、やがて体を宙に浮かべたまま跡形もなく消えてしまったのである。



 人格者だか救世主だかのダルも、さすがにこれにはぽかんとした。




 一方のポーチは、掃除を終えた家政婦のように手をぽんぽんと払い、ダルに笑いかけた。花が咲いたように可愛く、明るい笑顔だが、どこかしらブラックなものが潜んでいると彼は思った。




「さて…貴方の貞操を奪った不届き者は“あっち”に追い払ったし。私たちも、行きましょう!」



 ポーチは、困惑したままのダルの手を握り(到底女とは思えない力だった)、何やら不思議な呪文を唱え始めた。





 そしてここで、ダルの意識は途切れる。








 次に目を覚ましたとき――彼は見たことのない世界にいた。

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