1/3
1
またやってしまった。
今度で何度目だろうかと自分でも問いただしてみたくなった。
嘆息をし、ベッドから出れば。
自分が何も身に付けていないことを改めて知る。
ガクッとうな垂れる。
ちらり。と隣を見れば。
「……、」
やっぱりいるよね。
見間違えじゃないわよね。
明らかに人間が寝ている。
一応確認の為に部屋を見渡すけど、ここは私の部屋だ。
うん。
間違いなく私の部屋だわ。
とにかくベッドから出ようとしたとき。
――ぐいっ。
強い力で腰を掴まれ、再びベッドに戻っていた。
あ、れ…?
何が起きたの?
理解できずにいると、クスクスという私じゃない笑い声が響き渡った。
呆然と見上げる先には。
「おはよ。」
口許にうっすらと笑みを浮かべている男。
黒い髪が太陽の光りによって、茶色っぽくなっている。