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時過ぎても、想いは変わらず  作者: 美緒
第四章 第一王子
23/36

Ⅰ 紹介と第一王子の生存

今年初めの一作。

遅くなりましたが、よろしくお願いします。

「まぁ、今回の事はこれくらいにして……貴方をここに呼んだのは彼らを紹介するためです」

 シュアークの入れという短い命が発せられると扉が即座に開き、六名の男たちが室内に入ってきた。

 先ほど鍛錬場で見かけた人もいれば、実際に話した人物もいた。

 クメールとバルーゼとその他四人いる。

 室内に入ってきた六名は扉の前に整列していく。

 整列する際にクメールは目が合うと目礼をし、バルーゼはまた会ったなというようにニヤリと笑う。

 他の四名は直接話したわけではなかったため、レイの顔を軽く見ただけだった。


「レイ。

 貴方と主に接点が必要となる人物を紹介しておきます。

 必要に応じて追々他の団員達も紹介していきます」

「分かった」

「まずは、クメール・ルージュ、彼は私と同じ第一騎士団で副隊長をしています」

 名前を呼ばれたクメールは騎士の礼を取り、己がそうだと主張した。

「次に、第三騎士団隊長、ファーディナンド・エル・ビアス。

 フォルテ様が今までいた騎士団になりますが、この度、第七騎士団に移動することになりましたので、これまでの訓練内容などを聞きたい場合は彼に聞いてください」

「第七騎士団隊長、ビュー・ヴィベルア。

 フォルテ様が移動する際になった騎士団の隊長ですが、若干暴走しやすいので扱いには気を付けてください」

「……ちょっと隊長。

 そりゃーないっす…………」

 紹介を受けたヴィーと呼ばれた男は困ったように頭をかいた。

 否定しないということはそういうことなんだろう。

 自覚症状は合っても治らないようだ。

「同じく第七騎士団、副隊長のレネ・マイア・シークアス。

 暴走しやすいヴィーをうまく制御ができる少ない人物だ。

 困った時は頼ると良い」

「よろしくおねがいします」

 にっこりとほほ笑みながら礼をする姿は穏やかな人物の印象を受けた。

「怒らせると怖いから気をつけろよー」

 ぼそりと呟く声が聞こえたが、良く通る声だったため室内に響き渡り全員の耳に入ることになった。

 それを聞いたレネは隣にいる自団の隊長を冷やかな笑みと落ち着いた声音で問う。

「何かおっしゃいましたか?」

「な……なにも。

 お前の気のせいじゃないのか……」

「そうですか……」

ツンドラ山脈を想わせる冷気を放ちながら問い詰める姿は、怒鳴り散らされるよりも恐怖感が募るものなのだなと再認識する。

 レイ自身も他者を責める時は冷静になることが多いため、なぜあれほどにも部下である彼らが自分に怒られる時に冷や汗をかいているのか不思議だったのだが、ようやくその理由を理解したのだった。

 シュアークと周りの騎士達はいつものやり取りだというかのように特に気にした様子はなかった。

 どちらかというとたじたじとなるヴューを見て楽しんでいる節があるように見える。


「最後に、ジューリオ・フェスカ。第五騎士団隊長。

 王都の警備及び、国内の警備を統括しています。

 何か聞きたいことがあったら彼に聞いてください」

 なお、呼ばれたジューリオはクメール同様騎士の礼をとった。

 それを見たレイは、クメールに比べ穏やかな物腰の人物のようだと感じた。

「騎士団は、第一から第七まで存在する。

 もっとも、君が特に関わる人間は今回紹介したこの六名とその部下たちになるだろう。

 何か質問は?」


 いい加減だなと思ったが特に興味があったわけではなかったので質問したいことはなかった。

 もし疑問に思うことがあっても誰かに聞けばいいと思い口を開いてから思いついた。

「特には……あっ、一つだけ」

「なんだ?」

 自分の挙動一つ一つに細かく反応するシュアークの部下たちに少々わずらわしさを感じるが、人が多ければ多いほどぼろは出やすい。

 これから発する言葉を誤魔化されないにはちょうど良かった。

 この場にいたのが、シュアークと副騎士のクメールだけでは難しかったことになったかもしれない。


「第一王子はどちらに?」


 息を飲む音が聞こえた。


 だが自分の発した言葉に若干の変化が見られても、やはり他の騎士達のように大した反応を見せなかった。

 シュアークは一瞬眉毛が動いただけで、その直属の部下であるクメールも同様、先ほどより表情が硬くなっただけだった。


「貴方が知る必要はない」


 存外に自分が入り込むこところではないと容赦なく突き付けられた。

 しかし、ここではいそうですかと引き下がる者ではない。

 第一王子が出てこない事態はなんとなく予測出来て来た。

 それが本当ならば、力を貸す事も出来る。

 レイはシュアークが放った言葉が聞こえなかったかのように自分が考えた説を話しだした。


「第一王子が出てこない理由は、彼が動けない状態だから――悪ければいつ命を落としてもおかしくない状態ではありませんか?」


更新遅くなってしまい申し訳ありません。


いろいろと調べながらだったため、ようやく次の難点が決まりました。

もう鋭い方は気付いてしまったかとは思いますがどうぞ生温かい目で見守って頂けると幸いです。

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