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第8話◆絶対に噂がひとり歩きしてるってば!

アイちゃん視点に変わっても、

会合は続きますw

「私は、このユボーラ村を目指していました。


この村にいらっしゃるという、


――聖女さまに、会うために。」




―――――えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????




アタシたちが森の中で(グレイウルフ)の群れから助け出した、兎獣人のミュアちゃんの口から、アタシの想定外の言葉が飛び出してきて、思わずアタシは横転するかと思った……。


「「………………。」」


セイヤとユミィがアタシを見ていた。

村長さんまでアタシを見ていた。




―――そ、そんな目で見ないで!

アタシ聖女じゃないんだから!!




「……んと、ど、どうゆうこと??」


ユミィがミュアちゃんに補足を求めた。


「…………はい。

話すと少し長くなるのですが……、

私たちの村、ダット村が危なくて…………」




ミュアちゃんの話はこうだった。


このユボーラ村から歩いて半日くらいのとこにある、兎獣人たちのダット村がいま流行り病で大変とのことだった。


キャスティアの街も歩いたら半日くらいかかるけど、街道が整備されてるから馬車とか使えば2時間くらいで行けるけど、森の中にあるダット村はまさに陸の孤島ともいうべき立地で、そこで兎人たちは自給自足に近い生活をおくっているっていうのは一応知ってた。


「でも、ある日、私が病気になって

発熱してしまって……。」


突然高熱が出て1週間ほどミュアちゃんが寝込んでしまったらしい。


まだ若くて体力もあったミュアちゃんはなんとか回復したんだけど、その時はもうその病気は村全体に蔓延してしまっていたらしい。


中には幼い子どもとかご年配のかたとか、そこそこ重篤で危険な状態の人もいるらしくて、責任を感じたミュアちゃんは、この村にいるという聖女さまに助けを求めにやって来た。


……って感じなのかな?




―――どこから聞いたか知んないけど、

聖女なんてここにいないのになぁ。




「村長さん。たぶんその病気って……。」

「ああ。たぶん谷風邪(たにかぜ)、じゃないかな。」


……谷風邪。


たまにはやる、風邪のちょっとキツイやつだ。

美味しいものを食べて、あったかくしてゆっくり安静にしてれば治るやつだと思うんだけど……。


「私もそう思ったんですけど、

ここまで広がって高熱が続くのは、

普通じゃないって思って……!

だからきっと、ユボーラ村にいるという

聖女さまなら、治すことが出来ると思って!!」


ミュアちゃんが半泣きでアタシたちに訴えてきた。


アタシも教会育ちだから、わりとけっこう色んな病気を見てきたけど、その谷風邪はそこそこ強力な変異株かもしれない。


う―――ん。

アタシは聖女じゃないけど、なんかできることないかな…………。


とりあえず思ったことを言ってみよう。




「ミュアちゃん、アタシ思うんだけど、

例え聖女さま?だとしてもなかなかそれは

難しいかもしれない。

神聖術の治療(ヒール)は生命の力に活力を

与えるものなんだけど、病原体とかそういう

自然由来のものは魔素とかとは別に

本来この世界にあって当たり前のものだから、

ノネミアさまの力である神聖術だと、

その病原体も活性化してしまうんだよね。

ほんで、解毒(キュア)もその効果は状態異常とかの

ステータス異常に限定されちゃうから、

自然の病気には効果がないんだ、、

よ、、、ね…………………………。」




ここまで一気に早口でまくし立てて、

セイヤんちのリビングが、

し――――んと、静まり返っていることに気づいた。




―――も、もしかして、アタシ、、、

やっちゃっ、、た…………??




「そ、そこまでおっしゃるなんて、もしや……??

…………あ、アイさんが、聖女さまだったのですね!

どうか、どうか私たちを助けてください!!」


「あっ、いやっ!違う違う!!

アタシ聖女なんかじゃないって!!!」


あわてて両手を振って否定する。


でもミュアちゃんはもう、前のめりになってテーブルの上からアタシの両手をつかんできた。


「いえっ!

ここまでの神聖術への造詣(ぞうけい)

凛とした(たたず)まい、

実った麦穂のように輝くお(ぐし)

晴れ渡った青空みたいに(きら)めく瞳!

話に聞いていた通りです!!

話に聞いていた、聖女さまのお姿、

そのものです!!!」


「あっ!やっ!ちがっ!だから違うんだってばっ!!」


全力で抵抗してみるも、もうミュアちゃんの瞳はらんらんと輝いて涙があふれだした。


「ハハッ。お前がどう思おうが、

ミュアちゃんはお前を当てにして

ここまで来たわけだしな。」

「そうそう。それにアイちゃん、

二つ名ってやつは自分じゃなくて、

まわりがそう呼ぶものだしね♪」


セイヤもユミィもにやにやしてる。

これ絶対おもしろがってるでしょ!


いやいや。それは置いといて。

アタシが聖女だろうが村娘だろうが結局のところは、自然に発生した病気には神聖術は効果がないってことなんだよね。


具体的な解決策を提示しなくちゃ。


「と、とりあえず、アタシらにできることは、

ある程度まとまった気付け薬を用意して

ダット村に届けることだと思う。」


「まぁ、そうなるわな。」

「んと。どんくらい必要ってミュアちゃんわかる?

んで、そんだけの量ってユボーラにあんの?」


セイヤの相づちのあとのユミィの言葉にミュアちゃんが答える。


「そ、そうですね……。

40….、いや、50個くらい頂ければ……。」


げ。結構必要じゃん!

うちの村にもそんなに在庫ないでしょ!!


「ならば、明日の午前中に必要数の素材を採取して、

午後に村の薬師に調合してもらい、

明後日ダット村に届ける、というのが

最善で最速だろうな。」


村長さんがうまくまとめてくれた。


「おっ!? わかりやすくていいじゃねぇか!

こう言っちゃアレっつーか申し訳ねぇけどよ、

もしかしたら魔物と戦うかもしんねーし、

したらオレらの修行にもなるもんな!」

「よっし! アタシたちの腕試しもかねて、

いっちょ素材集めやっちゃいますか!!」

「んと。ギルド通さない非公式な感じかもだけど、

これがわたしたちの初クエストってことだねっ!」


セイヤもアタシもユミィもなんか知らないけど、俄然やる気が出てきた!


「ありがとうございます!!

お薬のお代はもちろん、族長と相談のうえ、

お礼も考えますので、どうか、

よろしくお願いしますっっ!!」


ミュアちゃんが何度も頭を下げてきた。


「素材採集中心だから危険はないだろうが、

みんな気をつけるんだぞ……。」


村長さんもアタシたちの後を押してくれるみたいだし。


よっし!

今夜はぐっすり眠って、明日のクエストに備えるとしますか!!!




-------------------------


クエスト:ダット村を救え!

依頼者:兎人族ミュア

達成条件:ダット村の病気快癒

報酬:????

もし少しでもいいなとか思っていただけましたら、いいねとか評価ポイントとかブックマーク登録とかして頂けると、

個人的にすごく励みになりますし、もっと他の方の目に止まって読んでもらえるかな、と思いますので、可能でしたらご協力をどうかよろしくお願い致します。

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