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第41話●どっちの言い方が正しいかとか、言われるまで気にならなかったっつーの

少しお時間頂きましたが、

本編に戻ります。


リーダーのセイヤくん視点です。

ユミィの放った矢が、一番奥の邪妖精(インプ)の額に突き刺さり、そいつは魔石を残して煙になって消えた。


「よし。みんな怪我はねぇな?」


戦闘が終了しオレはみんなの無事を確認する。


これでも合同パーティーのリーダーだからな。


「アタシはだいじぶ!」

「んと、わたしも。」

「私も問題ないわ。セイヤ。」

「僕もです。」

「ハハッ! 誰に口を()いている!」


……子爵さまの返事にだけ少しイラッと来た。


サルアーフ王宮跡を探索してたオレたちだったが、色々と苦戦や苦労はしつつも遂に王の間まで繋がる最後の廊下に辿り着いた。


クリストフさんの話だと、この廊下の突き当たりの大きな扉の向こうが目的地らしい。


途中の回転床だらけの回廊とか、鏡張りの大広間とか、C級ダンジョンともなるとトラップやらギミックやら一筋縄じゃいかないヤツが出てきてそこそこ手こずったもんな。


出てくるモンスターも奥に行くほどランクが上がって来てるっつーか、クレイ(土の)ゴーレムとかローパーとかに加えて、城の深部まで世界樹の根が侵食してるからか、トレントとかソルジャーマンティスとか植物系だったり虫系だったりの魔物が多く出て来た気がする。


最近まで良く潜ってたここら近辺のD級ダンジョンみたいに不死者(アンデッド)が大量にいた訳じゃないから、アイが格闘僧(モンク)転職(クラスチェンジ)したのは正解だったな。やっぱ。


アイが物理攻撃で前衛を張れるようになったのに加えて、ユミィも遠距離攻撃(ロングレンジ)の弓矢の威力が探索者(レンジャー)になって技もスキルも一段上のレベルになって戦略の幅が広がった気がする。


そこに臨時でオレらに加わってる剣士(フェンサー)レイトの高火力な剣技や、召喚士(サモナー)ナーシュの精霊召喚による臨機応変な汎用性が強力に機能している。


更に付け加えて呪術師(ダークソーサラー)吸血鬼(ヴァンパイア)のクリストフさんまでいるんだから、今のオレらの戦力って結構なもんじゃないかって思ってる。


しっかりと戦術を立てれば、ちょっとやそっとの相手じゃきっと遅れを取らないんじゃねぇかな。


そんなことを思いながら、豪華で立派だった面影を少しだけ残している廊下をオレたちは進んでいた。


「フム。そろそろか。」


コウモリ形態で先頭のユミィの廻りを飛んでいたクリストフさんが口を開いた。


「え、"王の間"にやっと着く感じ?」

「んと、突き当たりにおっきな扉が見えるかな?

きっとそうだと思う。」


アイの問いに、【集中】の効果で視力がアップしているユミィが答えた。


やっとこのクソ長い回廊にも終わりが見えたのか。

ってーか、こんな薄暗い廊下の先まで良く見えるな。


C級ダンジョン『サルアーフ王宮跡』の最深部、恐らくダンジョンボスが待機しているであろう"王の間"まで来たって事か。


「あのさぁ、、、」


緊張感で皆ピリッとしてるなか、うちの天然聖女が口を開いた。


誰も返事しなかったんだけどよ、アイは気にせず言葉を続けた。


「サルアーフ王国って代々女王サマが

治めてたんでしょ?

そしたらさ、"王の間"じゃなくて"女王の間"が

正しいんじゃないのかな?」


「…………。」

「………………。」

「あー……。」

「―――――。」

「……。」


―――誰も返事しなかった。


ってーか、なんつうんだろ。

オレもなんて返していいかわかんねー……。


『そういやそうだよな!』


とかそれなりの同調の相槌打ってやりゃ良かった……。


クッソ。

時間経っちまったから今更そんな間の抜けた発言も厳しい……。


そんな風に考えてる間に、アイは自分が無視されたと思って、少しだけ"しゅん"としちまった……。




「………………ッッッ!!」




何やってんだオレは!!


アイを哀しませるとか、どう考えてもダメだろう!!


そんなのオレは自分を許せない!


今からだって構わねぇ!

アイ! オレがお前の気持ちに寄り添ってや―――


「あ~~。

たぶんサルアーフは女王さまがいたっていう

むかしのこととかさ、

きっとみんな知らなかったんだよ。」


「……ユミィ?」


気付いたら扉の前まで着いていたってことで、少し警戒を緩めた先頭のユミィがこちらに振り向いてアイをフォローしていた。


「王国があったころはちゃんと女王の間って

言われてたと思うよ?

ダンジョンになってから当時をよく知らない人とかが

てきとうに王の間って呼んでるんじゃないかな。」


「……そっか。うん。きっとそうだよね!」


「ほんとうのことはわかんないけど、

わたしはそう思うからそれでいいんじゃないかな。」


「うん!ありがとユミィ!!」


「ふふっ。んじゃ、"女王の間"の入口に

着いたってコトで、最終チェックでもしよっか。

セイヤくん仕切りよろ~☆」


って、ユミィは両目をつぶってオレに主導権を渡してきた。


クッソ!

結局おいしいところ全部ユミィに持ってかれちまった!!


と思いつつもオレはかなり今ホッとしている。


オレがしくじっちまったアイのフォローをきっかりユミィがこなしてくれたからだ。


マジでガキん頃から3人ずっと一緒だったからよ、誰かになんかあっても必ず残りのどっちかがフォローに入る。


そんな風にオレたちは黄金の三角形のバランスでこれまで生きてきた。


そしてそれはきっとこれからも変わらねぇ。


……と、思う………………。


まぁ、色々と情けないやら苦しいやらよくわかんねぇ気持ちがぐるぐるしちまったけどよ。


とりあえずそいつは後回しだな。


「よし。お前ら改めて装備のチェックすっぞ。

不具合とか損傷とかないか良く見てくれ。

それとアイはオレらの祝福(バフ)を頼む。

問題なけりゃ、『女王の間』に突入すっからな。」


オレは扉の入口まで進み、メンバーに振り向く。


「おけ。【祝福】はまかせて☆」

「りょ。わたしは援護とかサポート徹底するね。」

「私も問題ないわ。1発が重い技を狙って行くから、

タンクとしてのフォロー頼むわね。セイヤ。」

「はい。地精霊(ノーム)火精霊(サラマンダー)をスタンバイさせてます。」

「クハハッ。【弱体化(デバフ)】は任せておけ!」


みんな大なり小なり疲れはあるだろうに、やる気に満ちた目と声が返ってきた。


まったく、頼もしい奴らだぜ。

ちょっとやそっとの強敵でも何とかなっちまうんだろうな。


「よし! 行くぞ!」


オレは前を向いて扉に手をかけ、両手で一気に押し開いた。

昔話や幕間など挟みましたが、

いよいよ1章も佳境に突入しました。


最近わりとゆっくりで申し訳ないですが、

今週ちょっと旅行に行くので

更新さらに遅れます…………。


でもほんとにもう、あとちょっとなので

最後までよろしくお願いします。


(2026/03/22)

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