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第34話●オレは長男だから我慢出来た

セイヤくん主役回です。

きっと大活躍してくれます!!

王宮跡の入口前に、ギルドの職員らしき冒険者が2名立っていた。

オレは一応皆の代表として、彼らと向き合う。


「オレたち【黒曜の剣】と彼ら【明光の夜】の

合同パーティーでこれから探索します。」


D級やE級ダンジョンならザルでスルーだが、C級くらいになるとしっかり審査されるのかね。


全員ギルドカードも提示する。


「よし、確認した。気をつけて探索するんだぞ。

ここはC級でも難易度が高いほうだ。

危険を感じたらすぐ戻ってくるように。」

「うす。」


軽く一礼して、4人に振り返り前進をうながした。




「――――――!!?」




城門をくぐって城内のエントランスに入ると、明らかにぐにゃっとした違和感を感じた。


……ここは、異空間系ダンジョンか……。


「うわっ。なんか変な感じした!」

「んね。テレポーターの罠みたいなのに近いかも!」


アイもユミィも感じたみたいだな。


今までのダンジョンとは明らかに違う雰囲気だ。

改めて気を引き締めていかねぇと。


「よしみんな! 準備はいいか?

これから「うーむ!懐かしいっ!!!」


オレがリーダーとして皆に一言気合い入れようとしたところで、ユミィのウエストポーチから白い煙とともにクリストフさんが姿を現した。


「くひひっ。やっと出れたねっ。」

「うむっ! ここまで世話になったユミィ!

礼を言うぞっ!!」


子爵(ししゃく)さまが伸びをしながらユミィに礼を告げている。

てゆっかよ、いつの間にそんな仲良くなったんだ?


「んね、やっぱ変わっちゃってる?」

「それは仕方なかろう。1000年経っておるのだ。」


クリストフさんが目を細めながら辺りを見回した。


城門をくぐってすぐのこのエントランスは、それなりの広さで2階には室内バルコニーまで(しつら)えてあり、ちょっとしたセレモニーなどもここでやっていたのかと思える。


ただ、壁石は黄色くくすんでおり、そこかしこから生えている木の根みたいなつるであちらこちらが覆われていた。


「え、この木の根っこって……、、、」

「うむ。世界樹の根だな。」


は? 『砂塵の塔』までけっこうな距離あるけど、こんなとこまで根を張ってるのかよ!?


「……とりあえず、どうします?

ボスの間に最短で向かうべきですかね。 」


ナーシュがオレに意見を求めてきた。


「そうだな……。なぁクリストフさん、

城内って結構広いのか?」


「うむ。もと大王国の王城跡だからそれなりだな。

とは言え、異空間化しておるようだし、

かつての惨劇の影響で破壊された場所もあろう。

一応過去の記憶からある程度、

ボスかいるであろうとおぼしき場所には

道案内出来るとは思うが、主だった場所に絞って

探索するが良かろう。」


オレの問いにクリストフさんが答える。

いや、初見ダンジョンである程度でも土地勘?がある奴が一緒だと心強いな。


―――と、その時、




「んと、とりあえずあいつら片付けてから、

あらためて探索のお話しよ。」

「!!?」




【集中】スキルで周囲を警戒していたユミィの言葉で皆、即座に臨戦態勢を取り陣形を組む。


エントランスの壁際にあるいくつもの台座の上に鎮座していた彫刻が震えながら次々と動き出す。


悪魔のような石像の瞳が赤く光りはじめた。




脅威度(モンスタークラス)C-のモンスター、動く石像ガーゴイルか!!




見た目通り石で出来たその身体は、攻撃こそ単純な打撃しか撃ってこないものの、刺突系物理と大半の攻撃魔法をほぼ無効化する厄介な奴だ!


エントランス入った時、気にはなってたんだよな。

怪しい石像だなぁ、ってよ。


1、2、3、4、5、6……、全部で6体か。


「あらためてみんな、【祝福】っ!!」


アイが【祝福】を発動させ、全員にバフをかけると同時に右のガーゴイルに向かって駆け出す。


「ちょっ! アイお前は祝福効果ねーんだから、

気をつけ……【強撃(ラッシュ)】!!」


オレも言いながら右斜め前のガーゴイルに一撃お見舞いする。


なにしろ打撃系の物理しかまともに通らねぇからな。

クールタイムが怖いものの、オレの手持ちの技じゃ【強撃(ラッシュ)】くらいしかコイツには使い物にならねぇ。


バガン!!


動きが鈍重なガーゴイルBはオレの一撃をモロに喰らって壁際まで吹っ飛んだ。


「よっと」


ドズン……


アイのほうも【正拳突き】でガーゴイルAに拳を突き立てている。

それをもろに喰らったそいつはどてっ腹に風穴が開いて、ひび割れて粉々になった。


格闘僧(モンク)の固有スキル【剛拳】で、女神からの加護で素手での攻撃が1.5倍の効果があるらしいが、こう実際にこの目で見ると、オレより高ダメージ叩き出してやがる……!


「んー、わたしの矢が刺さんないや。」

「こっちも私のレイピアでは、分が悪いわ……。」


逆にユミィとレイトは武器の相性で苦戦してるっぽいな。


「よしここはオレとアイが前に出る。

しかしアイは無理するな。

ナーシュは可能な限り精霊で援護!」


「おけっ!」「りょ」「くっ!愚図っ!」「はい!」


全員に指示を出しつつ、左のガーゴイルCに【強撃(ラッシュ)】をかます。


ドゴン!!


今度はガーゴイルCがぶっ飛んだが、ガーゴイルDが別方向からオレに向かってきた。


ガッ!


「うわっ」


一発もらっちまった。


先ほどオレにぶっ飛ばされたガーゴイルBも立ち上がり、残るガーゴイルEと合流してこちらに向かってくる。


反対側からガーゴイルFもオレ目掛けて腕を振るってきた。


ガッ!ゴッ!ドッ!ボゴッ!


あっという間にガーゴイル4体からサンドバッグになるオレ。


た、確かにオレは最前衛(タンク)だけどよ、、、




―――今回なんでオレばっか……!!




いやいや!


アイとか格闘僧(モンク)転職(クラスチェンジ)して物理攻撃力上がったけど、防御力は女神官(プリーステス)の時と大差ないし、なによりあいつの神聖術が戦略の根幹だし最前衛なんかさせらんねぇ。


レイトだって敏捷性を武器に(かわ)しまくって、ちくちく手数を増やすスタイルだから軽装だし。


オレが、ユミィとナーシュの後衛を含めた全員の盾として最前衛(タンク)張るのがオレらのスタイルだろう!


そのために【ディフレクト】使える重戦士(ヘヴィウォーリアー)転職(クラスチェンジ)したんだしな!


「ていっ!!」


ズドン!


オレに飛び掛ろうとしたガーゴイルFが、アイの一撃で砕け散った。


「さ、サンキュ、アイ。助かった……!」

「だいじぶ?」


ニカッと笑う聖女サマ。


クッソ。

可愛いじゃねぇかバカヤロー。

オレが絶対護ってやっからな!


最前衛(タンク)舐めんなし。アイも気をつけろよ。」

「ふふん。アタシには【カウンター】もあるから♪」


は?


さっきのマンティコア戦でスキル覚えたんか?


そう思っているうちに、アイはガーゴイルDの打撃を紙一重で(かわ)し、相手の勢いを利用した拳の一撃をそいつの顔面に突き立てた。


ドズン……!


「ほいっ☆ 残り3たーい♪」


……クッソ。


こいつ、転職(クラスチェンジ)してから強すぎるっ!!!


地精霊(ノーム)、【アースバレット】だ!」


そしてナーシュが召喚している地精霊(ノーム)の土属性の魔法でまた一体ガーゴイルが砕けた。


助かる!!


ナーシュの精霊術は召喚した精霊を介してるから、どうしてもクールタイムがあるのは仕方ないが、やはり一撃一撃が重くて頼りになる。


オレが踏ん張って耐えれば、後ろのあいつらが何とかしてくれる。


クッソ!


なんつうか、力が湧いてくるじゃねぇか!!


「遅いわよ。愚図。」

「へ?」


いや、レイトちょっと待て。

お前まで前に出てきたらカバー出来ねぇって!


「【点穴】!【点穴】!!【点穴】!!!」


は? 【点穴(てんけつ)】って溜めて溜めて研ぎ澄ました一撃を放つ刺突系の技だろ?


そんな連発して意味あんの??


ズドォォン……


しかしオレの懸念(けねん)他所(よそ)に、レイトの放った剣技は正確にガーゴイルの首元に連続でヒットし、3発目の点穴を受けたガーゴイルは首元を貫かれて、そこから砕けて後ろに倒れた。


「まじかよ……。」


レイトのやつ、かなり腕を上げやがったな。


……例え、オレが強撃(ラッシュ)で削ったガーゴイルCだとしても……。


よーし。

これで残るガーゴイルはあと一体。


ここはオレが!!


「【ブレイクアロー】」


シュッ……


オレが向かうより先に、後方から放たれた鋭い矢がオレの背後からガーゴイルの左胸に突き刺さった。


ユミィが放ったその一矢は急所直撃(クリティカル)が出たんだろう。

派手なエフェクトを放って、ガーゴイルがひび割れて崩れ落ちた。




……最後のガーゴイルが。。。




ちなみに、そいつもオレが強撃(ラッシュ)で削ったガーゴイルBだった。いや、結果論だけれども。




「よっし!勝った勝った! アタシ絶好調かもっ!!」


格闘聖女がぴょんこぴょんこ跳ねて喜んでる。




「……ふん。レイピアでもなんとかなるものね。」


レイトがレイピアを布で(ぬぐ)って(さや)に収めた。




「皆さんお疲れさまです。」


ナーシュもホッとした表情でみんなをねぎらう。




「あっ! 宝箱出た!

わたし開けてみるねっ!」


転職(クラスチェンジ)で【罠解除】スキルを習得しているユミィが、跳ねるようにドロップを確認しに駆け出した。




「クククッ。

アイが3体。ナーシュ、レイト、ユミィが1体ずつ

ガーゴイルを倒したが、

セイヤ、お前は何体だった?」


「!!??」


いつの間にかオレの背後に立ったエロ吸血鬼が、ねっとりした口調でオレの耳元に(ささや)いた。


「……イヤイヤ。

地味にオレだって何体かのガーゴイルの体力を

削った結果だっつーの。

つか、アンタこそ何もしてねーだろが。」


イラっと来て思わず手が出そうになったが、ぐっと我慢してクリストフさんに言葉を返す。


「私は冒険者ではないからな。

道案内を買って出ただけでも

有難く思ってもらいたいものだ「それでもよ、、」

「まぁまぁ。」


なんかまたイラっとして言い返そうとしたオレの前にユミィがすべりこんできた。


「これくらいの相手ならまだわたしたちで

じゅーぶんでしょ。子爵さまにはもっと強敵相手に

頑張ってもらおうよ。」

「ン? まァ、ユミィが言うなら、私も腕を振るうのは

(やぶさ)かではないが。」

「ほんと? んじゃ楽しみにしてるねっ!

あ、セイヤくん、無事に罠はずせたから

宝箱の中身確認してほしいんだけど。」


ユミィがにこにこと首をかしげて目を輝かせている。


「…………。

そ、そうか。助かる。さすが探索者(レンジャー)だな。

よし、早速確認させてもらうわ。」


ユミィとクリストフさんの仲の良さがちと引っかかるが、まァとりあえずはトレジャーの確認だな。


そう思い直し、宝箱に向かおうとしたオレの肩をアイが「ぽん」と叩いた。


「……セイヤが最前線で身体張ってくれてるから

アタシもみんなも思い切り戦えるんだよ。

だから、いつもありがとうね。」


「…………ッッ!!」


そう耳元で(つぶや)いた聖女の言葉を聞いて、一瞬頭が真っ白になってオレはその場で2秒ほど立ち尽くしてしまった。

みんなちょいちょいスキルレベル上がって来ているので

新しく覚えた技もちらほら出て来たり、みたいな笑


そうっす。

作者はロマサガ大好きでした(くそわろ)


(2026/02/14)

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