第24話♥1000年呪い続けるのって疲れないのかな
ボス戦です。
色々伏線撒いたり回収したり……
(撒いた伏線は回収するとは言ってませんw)
ガイコツエルフが召喚した3体の不死系のうち、赤いローブを着た魔道士ふうのガイコツがなんか魔法を詠唱し始めた。
「させないよ。【聖槍光】!」
あ、あいつの魔法やばいかも!
とか思う間もなく、アイちゃんの手のひらからめっちゃ速い光線が放たれて、でかいゾンビのかたまりを貫通して、魔法使いガイコツの頭をぶっ飛ばした。
―――いや、うちの聖女のほうがやばい!!w
ボーグルメイジ戦の教訓がちゃんと生きてる。
後衛の魔法使いから優先はセオリーだね!!
慈悲の雨みたいな広範囲魔法よりも、一点集中の威力も速さもすぐれている単体魔法で各個撃破をえらんだのは正解だと思う!
ナイス!アイちゃん!!
「なにィ?? 中位以上の聖職がおるのか??」
ちりになってくずれていくガイコツ魔法使いを見ながら、ガイコツエルフが慌てだした。
「【防護壁】!
【防護壁】!!」
「サンキュ、アイ!」
「助かるわ。」
そして休む間もなくアイちゃんに防御魔法をかけてもらった前衛ふたりが残り2体の不死系に向かっていく。
セイヤくんが立ち向かっていった、どてっぱらにでっかい穴があいたゾンビのゴーレムは見るからにパワー型だもんね。
今は動きが止まってるけど同じパワー型のセイヤくんならおさえこめるのかもしれない。
逆にギラギラした骨の剣士とか、同じ技巧派のレイトの剣術でなら渡り合える可能性がある。
一瞬でこんなふうに役割分担できるのけっこうすごくない?
とりあえずわたしは【集中】しよう……。
「ボーン!! まずはあの聖職者からだ!!
女王はとりあえず捨ておけ!!」
「ギ」
ガイコツエルフがギラギラ剣士に命令すると同時に、ギラギラ剣士がとんでもない高さまで飛び上がった。
「え!?ちょっとっ!!?」
そんで軽々とレイトを飛び越えて、なんとアイちゃん目がけて上空から襲いかかってきた。
「地精霊、【大地の壁】を。」
でも間一髪、ナーシュさんが召喚している地精霊が唱えた魔法で出て来た岩の壁にはばまれて「グシャ」って音がしてギラギラ剣士は岩に激突した。
「ありがと!ナーシュ!」
「間に合ってよかった!」
アイちゃんがナーシュさんにお礼を言ってる間、わたしはぶつかった衝撃でくずれた金色の骨から、赤黒い石が少しさらけ出されたのを見のがさなかった。
「【連射】」
【集中】が発動しおえたわたしの射撃が2連続で、その赤黒い石にヒットする。
「おっけ。急所攻撃出た。」
なんか弱点核だったのかな?
ギラギラ剣士が力なく崩れ始めた。
「あとはあのデカいのだね! 【聖炎】!!」
ちゃんと落ち着いてまわりが見えていたアイちゃんが、これまた高火力の神聖術をバカでかい死体ゾンビに撃ち込んだ。
「ゴォォォ……」
あれって、苦しんでるのかな?
死体ゴーレムが蒼白い炎につつまれてのたうちまわっている。
「【強撃】!」
「【点穴】!」
そこを前衛ふたりがこちらも高火力スキルをゾンビゴーレムにぶち込んで、そいつは活動を停止した。
「……クソッ!! まだだ!!!
まだまだワシの不死系は
いくらでもおるぞっ!!!!」
ガイコツエルフが両手をかかげると、今度は7個も地面に赤い魔法陣が出てきて、その中からまた別の魔物が浮かび上がってきた。
「【慈悲の雨】」
たぶん後発の召喚される不死系は、最初に呼ばれたやつらよりは少しランクが落ちるのかもしれない。
アイちゃんもおんなじ考えだったんだろうね。
ここで広範囲聖属性神聖術が炸裂して、呼ばれた骨とか死体とか一瞬でちりになって消えた。
「グッヌヌヌヌヌヌヌヌ…………!」
ガイコツエルフが悔しそうにもだえた。
「ゴメンね全力で行くって決めてたから。
【聖槍光】っっっ!!!」
最初に魔法使いを瞬殺したレーザービームがアイちゃんの手のひらから放たれた。
……シュン
「―――え?」
わたしも、ほかのみんなも一瞬で終わるって思ったんじゃないかな。
でもアイちゃんが撃った光線は、ガイコツエルフに当たる直前で白い煙になって消えた。
「グフフッ。ワシの手塩にかけたあいつらの
勇姿を見るのが楽しみだったのだが仕方ない。
ワシがやるしかないようだな。」
ガイコツエルフの魔力がふくれあがった。
「ワシの可愛い不死系の仇は
必ず取らせてもらおうかのう………………。」
「風精霊ッッッ!!【風防壁】をっ!!」
ナーシュさんが即座に反応してわたしたち全員に風のバリアを張ってくれた。
……けど、、、
「【闇鎖網】」
ガイコツエルフが放った闇属性魔法にはほとんど効果がなかったっぽい。
黒紫のまがまがしい鎖のアミがそのバリアをすり抜けて、一瞬でわたしたちにおそいかかってきた。
「ぐっ!」
「うわっ!」
「きゃっっっ!!?」
わたしたちは全員かんたんにぶっ飛ばされて、地べたにぶっ倒れてしまった。
「まっ、まだっ!! もっかい【聖槍光】っっ!!」
なんとか立ち上がったアイちゃんがふたたびレーザービームを放ったけど、さっきと同じようにそれはガイコツエルフにはとどかなかった。
「ヌハハ! 当代の聖女は知能が足りんのう。
何回やろうがワシにお前の神聖術は届かん。
ワシがリッチ化する際、ワシの骨には
『反聖属性魔法術式』が刻まれておるからの。」
え? なにそれ?
あいつ、不死系のくせに、神聖術が効かないってこと??
アイちゃんもくやしそうに下くちびるをかんでいる……。
……っていうか、こいつめっちゃ強敵じゃん!
「フム。貴様らの魔力や波動を見るに、
どうやら本当に王国はとっくに滅んでおるようだな。
そこのウッドエルフもダークエルフも、
女王や大神官になるには若すぎるものな。」
もうすでに勝ちを確信しているのか、ガイコツエルフがのんびりと話しかけてきた。
それかもしかしたらたぶん、さっきの大規模な闇属性魔法は連発できないのかな?
できるなら連続で撃ち込まれてるはずだもんね。
向こうも時間稼ぎ、なのかもしれない。
「わっ、私たち、は、王国なんて、知らないし……!
それにアンタの言う通り、古代エルフみたいに
長寿なんかじゃないものっ。」
レイトが口もとの血をぬぐいながらガイコツエルフに返した。
確かに昔のエルフは何百年も生きたって聞いたことあるけど、そんなのおとぎ話だとばっかり思っていた。
レイトやナーシュさんのようなエルフもダークエルフも、わたしたち人間種とそんなに寿命は変わらないもん。
「……そうかもしれんが、そんなことワシは知らん。
ワシには関係もない。今こうして目の前に
にっくきサルアーフ王家の末裔と!
忌々しい大神官の末裔がおるのだ!!
ワシの満たされぬ復讐心はお前らを許さぬ。
話すのも飽いたわ。」
ふたたびガイコツエルフの魔力がふくれあがりはじめた。
―――やばい!!!
さっきのもっかいくらったら、今度こそ全員無事じゃすまないって!!
どうしよう、どうしよう!
頼みのツナの、アイちゃんの神聖術はぜんぶ無効化されちゃうし………………、、、
―――って、、、え????
わたしはアイちゃんを見た。
アイちゃんの髪留めからは、
金色の光があふれだしはじめていた。
アイちゃんの、お日さまみたいな髪飾りから―――
作中のガイコツエルフは自分でリッチと言ってますが
まだレッサーリッチなので、本家ほどの能力はないです。
ちなみにクラスはネクロマンサーでした。
(どうでもいいか)
(2026/01/28)




